●自分のイメージを優先させてしまう特性
自閉症の人は、周囲で起こっていることよりも、見えているものや自分のイメージを優先させてしまう特性があります(社会性・対人関係の特性:相手の気持ちや周囲の社会的な状況をつかむことが難しい※)。
自分のイメージを一旦終わりにしたり、後回しする切り替えが得意ではない人もいらっしゃいます(注目の特性:切り替えの困難さ※)。
※かるたで深める特性のページがあります。
●支援者の視点から始めるデメリット
しかし、教師や支援者は、社会的な状況や一般的な視点を重視します。間違っている本人の考えを無視して、先に教師や支援者の考え方からスタートすることがあります。
教師や支援者の考え方からスタートすることで、本人には、押し付けられた経験になり強い抵抗で提案にへの拒絶にもつながることがあります。
あなたの考えは間違っているので、こちらの言う通りにしなさいでは、うまくいきません。
そのことにより、「否定された」「どうせ自分はダメ」などの不適応行動につながったり、無理に過剰適応したり(理解していないけど先生や支援者の指示を極端に受け止め行動するなど)、不安や怒りなどの感情につながる場合もあります。
●本人のイメージから始める意味
だからこそ、どんなにそれが周囲からみると間違った視点でも、本人の持っている視点から始めることが大切になります。
それは、本人の考えを認めることではありません。本人のもっている視点をまず確認し、【傾聴】します。
●傾聴の後のプロセス
傾聴の後には2つのプロセスを実施する場合があります(場面によっては、傾聴で終わることがあります)。
1つ目は【整理】です。本人のイメージに関連のある押し付けではない客観的な情報などを踏まえて、状況を整理します。言葉だけではなかなか整理ができないの、図や表を使ったり、フローチャートを使ったります。
2つ目は【提案】です。押し付けではなく、試みてもいい内容を提案という形で提示します。内容や本人の状態によっては、数個の提案から選んだりします(フローチャートは、整理と選ぶを同時並行で進めるアイデアです)。
まとめると本人のイメージが強い時の手続きは以下の3つです。
1.傾聴する
2.整理する
3.提案する
●自己評価と他者評価の視点
1つの整理と提案の仕方として「自己評価と他者評価」の手続きがあります。
教師や支援者が持つ世の中の視点、一般的な視点、周囲の状況の説明については、本人が自分の視点を自ら整理するための情報として活用します。
書籍『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』では、「自己認知・周辺認知支援と相談支援」のページ(121頁~132頁)では、自己評価と他者評価のアプローチを書いています。
これは、他者の評価を押し付けるのでなく、自己評価と他者評価を繰り返しながら、他者評価を参考にした自分にとって有益な自己評価を繰り返すプロセスになっています。
●知的障害を持つ自閉症の支援では?
この「本人のイメージから始める」とは、高機能や言葉を持つ自閉症の人だけの話でしょうか?それは違います。
例えば、知的障害を持つ自閉症の人が活動の切り替えがうまくいかない時に、支援者の中には、次の活動の指示を先に提示する場合がありますが、これは支援者の視点から始めてる支援です。
本人の頭の中では、まだ今やっている活動に強く注目しているのです。そこで、そのイメージを大切にして、それを終わりにする視点を提案し、自ら終わって次の活動に移るように支援します(対応はケースによります。1つの例です)。
まず、本人のイメージを確認し、それにあわせて情報提供するステップが必要です。
\
※無料のメーール会員登録はこちら。記事の更新やメール登録者限定コンテンツのパスワードもお知らせします。
●改訂版 「気づき」と「できる」から始める フレームワークを活用した自閉症支援
●Amazon購入はこちら
著者: 水野敦之
出版社: エンパワメント研究所
ISBNコード: 9784907576325
価格: 1,980円
発売日: 2025年06月01日
★誰でも同じ一貫した視点で自閉症支援をはじめ、継続するためのフレームワーク集!
「自閉症の人に対する支援者たちが共通した考え方に基づいて関われるためにはどうしたらよいのだろうか?」「自閉症の人に対する支援者が交代した 際にも、継続した支援が保障されるためにはどんな方法があるのだろうか?」フレームワークはこんな疑問から開発されました。
●『フレームワークを活用した自閉症支援2 生活デザインとしての個別支援ガイドブック CD-ROM 付~』
●Amazon購入はこちら
著者: 水野敦之
出版社: エンパワメント研究所
ISBNコード : 978-4-907576-36-3
価格: 1,980円
発売日: 2015年05月27日
★すぐに使えるワークシート集 CD-ROM 付
本人の特性にあ わせた支援計画と、本人がより豊かな生活を目指すための課題をどの ように 設定し たらよいかについて実際の事例に踏まえながら紹介しています。
★セット特価★ 「フレームワークを活用した自閉症支援」シリーズ2冊セット定価 定価 3,960円 → セット価格 3,168円/エンパワメント研究所