●自分のイメージを優先させてしまう特性
自閉症の人は、周囲で起こっていることよりも、見えているものや自分のイメージを優先させてしまう特性があります。
自分のイメージを一旦終わりにしたり、後回しすることが得意ではない人もいらっしゃいます。
●支援者の視点から始めるデメリット
しかし、教師や支援者は、社会的な状況や一般的な視点を重視します。間違っている本人の考えを無視して、先に教師や支援者の考え方からスタートすることがあります。
教師や支援者の考え方からスタートすることで、本人には、押し付けられた経験になります。
あなたの考えは間違っているので、こちらの言う通りにしなさいでは、うまくいきません。
そのことにより、不適応行動につながったり、無理に過剰適応する場合もあります。
●本人のイメージから始める意味
だからこそ、どんなにそれが周囲からみると間違った視点でも、本人の持っている視点から始めることが大切になります。
それは、本人の考えを受容することではありません。本人のもっている視点をまず確認するのです(それを傾聴という人もいますね)。
●自己評価と他者評価の視点
教師や支援者が持つ社会的な視点、一般的な視点、周囲の状況の説明については、本人が自分の視点を自ら整理するための情報として活用します。
書籍『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』では、「自己認知・周辺認知支援と相談支援」のページ(121頁~132頁)では、自己評価と他者評価のアプローチを書いています。
これは、他者の評価を押し付けるのでなく、自己評価と他者評価を繰り返しながら、他者評価を参考にした自分にとって有益な自己評価を繰り返すプロセスになっています。
●知的障害を持つ自閉症の支援では?
この「本人のイメージから始める」とは、高機能やバーバルな自閉症の人だけの話でしょうか?それは違います。
例えば、知的障害を持つ自閉症の人が活動の切り替えがうまくいかない時に、支援者の中には、次の活動の指示を先に提示する場合がありますが、これは支援者の視点から始めてる支援です。
本人の頭の中では、まだ今やっている活動に強く注目しているのです。そこで、そのイメージを大切にして、それを終わりにする視点を提案し、自ら終わって次の活動に移るように支援します(対応はケースによります。1つの例です)。
まず、本人のイメージを確認し、それにあわせて情報提供するステップが必要です。
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