『コンビニ人間』 村田沙耶香著
なんだか嫌な予感のする本を避ける癖がある。
この『コンビニ人間』※がそれであった。
コンビニは私にとって聖域だ、娯楽であり、人間観察の場であり、発見であり、コーピングである。
なんだかその領域がだいなしにされるのではと、ずっと気にる本でありながら避けてきた。
しかし、避けるべき本ではなく今だからこそ読む本であり、それは私だけではなく現代の多くの人たちに読んで欲しい、読んだことがある人は、今の現状で読んで欲しい。
避けて来たことはある意味正解だった。
ダイバーシティ、過剰適応、カモフラージュ、マイクロアグレッションなど、いま私にとって避けられないテーマへの導きになったからだ。
あまり理屈を説明するとネタバレになるので、詳しくは書けないけど、
人は何によって生活するのか、何をヒントに考え、動き、感情をもつのか、そこによる違いがあるのか?それは白か黒ではないのではないか?そもそも依存することは駄目なのか?その依存によって人は違いを無意識の拒絶をするのはなぜか?
ページを進める中で、読んでる自分の感情が変化するのが、まるで脈を感じるように気づく、業界の影響でたぶん定型の人と違った場所でクスと笑う。
そして自分が無意識の拒絶を読みながら持っていたことに愕然とする。
このコーナーは、発達障がいに関わる支援者や先生、社会の参考資料として紹介してます。しかし、主人公が発達障がい?アスペルガー?サイコパス?とかチンケな興味で読むのではなく、自分自身の中のマジョリティとマイノリティに気づき自分の考えや仕事を振り返るきっかけにして欲しいと思います。
※『コンビニ人間』 村田沙耶香著 は、第155回芥川賞受賞作品