自閉症教育・支援コンサルタント、『フレームワークを活用した自閉症支援』の水野です。
自閉症支援の中で、想定外のことが起こらないというのは不可能です。そこで、どうすればいいでしょうか?
●アセスメントをもとにした想定内の支援
自閉症の人の合理的配慮を目指すために、アセスメントをもとに計画を立て=想定内にし、想定外を少なくすることが重要です。
アセスメントによる本人の特性等にあわせた支援を実施しない『でたとこ勝負支援』では、想定外のことが多く起こり支援者による支援の調整が難しくなります。
アセスメントにもとづく『想定内支援』を実施することが大切です。想定外のことが起こっても支援者が見通しをもって調整できます。そのことが不成功体験の連鎖を断ち切り、成功体験の連鎖につながります。
『でたとこ勝負支援』とは。。。
『でたとこ勝負支援モデル』※とは問題が起こってから対応する支援です。
例えば、引越しや進級、就職、等の時に事前に想定した予告や準備をしないで、とりあえず様子を見ながら対応するのが『でたとこ勝負支援』です。
『でたとこ勝負支援』は、本人には大きな変化になり、大きな混乱、大きな行動面の変化へ発展します。
その時点で調整しようとしても、修正しようとしても不可能になることがあります。
その時の経験が、その後の同じような場面、生活全般に影響を与えます。
1つの想定外のことが不成功体験の連鎖を生みます。
※『でたとこ勝負支援』という文言には賛否両論ありました。ただ、多くの皆さんに問題意識をもってもらうために少し厳しめの文言を使わせていただきました。この支援で厳しい状況で苦労しているのは、誰でもない当事者です。是非ご理解をお願いします。
『想定内支援』とは。。。
『想定内支援』とは、事前のアセスメントをもとにした、想定内の支援計画を立てる支援です。
もちろん、想定内の支援計画を立てたとしても想定外のことがおこります。
しかし、想定内で進めてきたことで再アセスメント、再構造化で修正、調整ができます。
そのことが、成功体験の連鎖を生みます。
『想定内支援』のメリットは。。。
- 成功体験につながる可能性が高い。
- 想定外のことに最小限におさえられる。
- 想定外のことに対しても余裕をもって対応できる。
- 想定外のことが起こった後の再アセスメント、再構造化のプロセスにもつながる。
- 成功体験の連鎖を生む
想定内支援にするには、事前の、そして継続的なアセスメントが必要になります。
主なアセスメント内容としては。。。
- 自閉症の特性・特徴(環境の影響、整理統合の困難さ、注目の特性等)
- 何によって理解するのか
- どんなスキルを持つのか
- 影響を受ける環境、刺激、情報
- これまで起こった様々な場面の情報 などなど
●支援は完璧ではなく、最善を求める。。。
支援は完璧さが必要になるかもしれません。しかし、現実的にはそれは不可能です。
そこでアセスメントと調整による想定内支援を行うことが必要です。
完璧ではなく、最善な支援を目指すことが必要です。
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根拠のない楽観主義的な「やってみて調整すればいいじゃん」はこまります。根拠のある自信と調整は必要です、
想定内支援は、完璧支援ではありません。その時にできるアセスメントによる最善の方法を積み重ねることが重要ですね?