講演やコンサルテーションで多くの皆さんから「なかなか余暇が見つからない。どうすれば良いのか?」という質問があります。
●興味関心の視点では余暇は広げることができません
「興味関心を探しましょう」と言うことアドバイスを聞きますし、私もそれを否定はしきません。興味関心から始める視点は、もちろん大事なんです。
しかし、興味関心から始める視点では、実際の支援現場では、
「興味関心がなかなか見つからない」
「感覚遊びばかりで発展しない」 ※
という声がでます。それだけではない視点が必要ではないでしょうか?
※もちろん感覚的な活動も重要です・・・。しかし、それだけでは発展にはつながりません。
※感覚遊びから切り替えが難しくなるケースも起こっています(感覚遊び・活動は時間と空間の境界が大事です)。
私の実践では、興味関心ではない部分ではないものだけど、余暇や興味関心につなげて、余暇が広がっているケースがたくさんあります。
そのポイントを紹介します。
●仕事のように遊びを広げる
自閉症の人は、自由で曖昧な、何をしていいのかわからない自由時間が得意ではありません。
逆に、具体的で見通しのある仕事のような活動が好きと言われています(個人的な状態の違いはあります)。
そこで私は、興味関心から始めるのではなくて、
仕事・勉強のように余暇を設定することから始めることがあります。
仕事・勉強のように年齢にあった余暇を提案し、教えて、自立するステップです。
最初はお仕事・勉強の進めるだけですが、次第に興味関心に移行する内容がでてきます。
段取りは、まずその年齢にあった余暇・遊びの内容をいくつか準備します。
その余暇・遊びを1対1の場面でアセスメントを取り、
トップに提示しています「余暇を広げる視点」にそって計画を立て設定します。
基本は、アセスメントをもとにわかりやすく指示や見通しを視覚的に伝えて、1対1の場面で教えます。
できたら一人で遊ぶ、次にみんなのなで遊ぶというふうに、般化のステップを設定します。
ある青年は、下の写真のような手だてを活用して、ボーリングを仕事のように教えました。
最初は仕事ですので楽しんでいなかったのですが、少しずつピンが倒れると喜ぶ場面が見られるようになりました。
もう1つ押さえておきたい視点があります。
様々な余暇の道具・内容によって、本人の反応・状態が違ってきます。
すごく興奮するのものあれば、落ち着いて持続できるものもあります。
それぞれの道具・内容ごとの本人の反応・状態の違いにあわせても設定の仕方を変える必要があります。
例えば、どんなに好きな活動でも、興奮しすぎる活動は時間などを決めることが大事です。
アセスメントの時にそのような視点も調べて、「余暇を広げる視点」にそって計画を立て設定します。
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