自閉症児・者の行事等の練習を支援者教育者の皆さんはどのようにされていますか?
自閉症児・者が参加する行事等の練習には大きく2つの役割があります。
1つは参加する本人が見通しをもって当日を迎えるように、まさしく練習することです。
もう1つは支援者が、本人の実態をつかんで、当日想定されることを考え、事前の準備をすすめ、できるだけ想定外の混乱を少なくし、もしも想定外のことが起こっても対応できるようにします。
自閉症児・者が参加する行事及びそれまでの練習で念頭におくべき留意点=フレームワークを活用した行事支援をまとめます。
【個別化された参加目標を決めておく】
支援者の中には参加させながら様子を見て、支援や目標を考えていく方がいます。
しかし、それでは、本人に無理をさせますし、活動提示の変更が多くなったり、場合によっては練習にも参加できなくなります。
行事等は社会的にも環境面も複雑で変更が多く、活動も曖昧なことが多いです。
一人ひとりにあった活動の幅を決めておくことが重要です。
そこで、以下のポイントで参加の目標、支援を個別で決めたおく必要があります。
- 行事等(集団)に入るタイミングと出ていくタイミングを決めておく
- 活動の中で一人で参加する部分を決めておく
- 活動の中で支援者と参加する部分を決めておく
- 活動の中で参加しない部分を決めておく
- カームダウンの方法とそのためのコミュニケーションを決めておく
- その他どんな配慮、支援がいるのか決めておく
大事なことは、行事を完ぺきに参加することではなく、本人の中で成功でき、嫌悪感の無い活動として終えることだと考えます。
【見通しを持たせる視覚的支援】
多くの行事は、いくつかの活動で構成されています。また、それらの活動は、変更が起こります。
自閉症児・者は、それらの見通しを持つことが困難なために、混乱したり、参加できなかったり、動けなくなったりします。
そこで視覚的な予告やスケジュールなどが必要になります活動のスケジュールは、全体的もしくは個別化して提示します。
行事の中には曖昧な内容があります。例えばお客さんの話を聞くとか。それも何らかの視覚的シンボルがあることで、はじまりと終わりを伝えることができます。
【児童発達支援センターぐるんぱ】での行事では、絵をベースにした全体的な活動提示にし、個々の園児に応じて個別化したをスケジュール活用します(通常の日課のスケジュールは個別化します)。
1つの活動が終わったら、シンボルを終わりボックスに入れます。そのことを終わりに近づいていることができます(下は現在の練習に使っている全体のスケジュール)
【練習ではなく、毎回本番にする】
多くの行事の練習は、本番の中の部分練習で何回も同じことの繰り返しになる場合があります。
しかし、それでは視覚的な提示の中での行事の習慣をつかむことができません。
部分の繰り返しの練習で、間違った気づき、例えば本番でも繰り返すなども生じます。
行事の練習では、毎回本番を念頭において(部分でもかまわないので)流れを経験します。
うまくいかない部分は繰り返し練習するのを避けて、次回に手立てや教え方を工夫して実施します。※
※部分練習は、必要に応じて、個別の先生と1対1で抽出して教えることもあります。
それでは・・・・まとめです。
【行事等の練習で重要なのは成功の積み重ね!自信をもって経験する設定が必要です】
『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』では、さらに詳しく行事等について解説しています。
児童発達支援センターぐるんぱのクリスマスの実践例も掲載しています。
『フレームワークを活用した自閉症支援』では、行事等の計画を念頭においた「行動支援計画シート」があります。
このシートを活用して行事の活動内容を「項目(活動の工程 等)」の欄に書いて、毎回の練習で継続的なアセスメントをすることをおすすめします。
「行動支援計画シート」は事前の手立てを書く欄がありますので、事前計画にも対応できます。
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