自閉症支援では、たくさんのフレームワーク(アセスメントやプランニング等の考察する枠組み)があり、多くの人がフレームワーク及びそれを具現化するフォーマットを活用しています。
たくさんのフレームワークやフォーマットから支援者自身自分や周囲の協働チームにあったものを探すのが難しく、色々試すことで逆に一貫性を保てなかったり、混乱が起きます(もちろん、いくつかのフレームワークを一貫性をもって活用することはあります)。
そこで、支援者や協働チームで、どんなフレームワークを選ぶかのポイントを書きだしてみます。
●自分に使いやすいよりも協働チームで使いやすい
どうしても、自分にあったフレームワークを選んでしまいますが、自閉症支援は協働が重要になります。自分だけが使えても、周囲に働きかけができるフレームワークとして使えるか、周囲に拡散(伝染)するフレームワークかを考える必要があります。協働チームでは使いやすくするために、大雑把でもだめで、細かすぎてもうまく活用できません。
●アセスメント・プランニング・調整が盛り込まれている
自閉症支援のプロセスではアセスメント→計画→実施→モニタリングを繰り返します。フレームワークを活用し絞り込んだ視点で重要な情報をアセスメントできること、それらを集約し計画を立てること、そして調整する流れができるだけ1枚~数枚のフレームワークでできることが望まれます。
●一貫性があり不変的である
フレームワークのフォーマットを常に改訂・改変し続けることはいくつかのリスクを伴います。一番大きなリスクは、一貫性が保てず、習慣が崩れます。哲学、理念の変容で調整することが大事ですが、フレームワークのフォーマットは現場主義である必要があります。
●個別化や般化に対応している
フレームワークは個別のアセスメントに基づく、個別化された支援計画を立てることが役割になります。アセスメントからのプロセスの中でフォーマット自体が個別化を導く設定になっていることが重要です。また、個別化をしても様々な場面や内容への般化、応用での設定を想定しているフォーマットであることも大切です。
●マニュアル(手引き・解説・補助資料)があり継続できる
フレームワークを活用したアセスメントや計画には基本となる知識、コツが必要になります。また、フレームワークのフォーマットに様々な解説を組み込むとフォーマットそのものが複雑になります。そこで、フォーマットを補う解説や参考資料が必要になります。
多くの支援者が、すぐにでも解決できるフレームワークを欲しいと思います。しかし、実際の支援は継続的なものになります。また、多くの支援者は資料はいっぺんに仕上げたいと思います。これも現実的ではなく、累積的に書き続けながら最適な資料にしていくことが必要になります。フレームワークとそのフォーマットは継続的に書き続けることが想定される必要があります。
【ネットワークづくりのためのフレームワーク】
今回は5つの中には入れませんでしたが、フォーマットおよびその手引き・マニュアルは、公開され、誰もが、どんな場所でも活用できることが大切です。そのことは、一貫性をもった仲間、ネットワークを作り、協働研究、協働実践の輪を広げていきます。
書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』、新刊『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』は上記のポイントを念頭に作成したフレームワーク集です。すでに全国にこのフレームワークを活用し、効果のある実践をされている支援者、協働チームの仲間の輪が広がっています。是非、皆さんもその仲間に入っていただければ嬉しく思います。
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