書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』で実践していただいてる皆様、特性シートを活用したアセスメントと指導・支援の方向性の計画について以前にweb公開の研修をアップしましたがいかがでしょうか?研修進んでいるでしょうか?
これまでの研修に関しては【自閉症の特性と支援を書き出そう!/自閉症支援スキルアップ講座(まとめ)】をご覧ください。
http://bouzan-note.com/jiha/3033.html
おもなステップとしては以下の内容でした。
ステップ1:自閉症の人の行動を書き出す
ステップ2:自閉症の影響・知的障害の影響・年齢の影響で分ける
ステップ3:行動を自閉症・発達障害特性シートに貼る
ステップ4:1つの行動を他の場所にも書き出す
ステップ5:自閉症特性解説の手引きを参考に、指導・支援を書いてみましょう
ステップ6: 記入した特性シートをシナリオにして親御さんや周囲のチームに説明する
とにかく是非継続的にシートの活用を繰り返してみてください。我が事業所の新人の研修も進んで、次の段階に入っています。
今日は、次の段階を説明します
。
● やや抽象的な軸の支援計画として記入する
webサイトで紹介したステップ1~6までは、日常の具体的な場面での行動・様子と具体的な計画が書かれていると思います。
しかし、本来特性シートでは、どんな場面でのイメージできる抽象的な、軸の文言に集約する必要があります。
以下のスライドはイメージをまとめた物です。
よく講演で説明する特性の解説・指導・支援の方向性の例を紹介します。
特性の解説の記入で、
基礎研修児の記入:色々な場所に唾を吐く
と書いてあったとします。しかし、これはあまり特性シートとしては具体的すぎます。
アドバンスの記入:道具や材料などをどこに配置していいかわからない。
となります。
指導・支援の方向性も
基礎研修の記入:唾を吐いて良い場所に絵で指示を提示するとあると、特性シートとしては具体的で、1つの場面だけの支援計画になります。そこで、
アドバンスの記入:道具や材料などを配置する場所を絵で示す。になります。
アドバンスの記入になると、唾吐きの行動支援でも、道具を使った作業での自立支援の計画でも、様々な場面で応用的に活用ができる文言になります。
もう1つ事例を書きます。
基礎研修時
特性の解説:好きなテレビ番組の時に切り替えが難しい
指導・支援の方向性:テレビに終わりの指示(NOマーク)のある布をかぶせて、次の活動を促す
アドバンス
特性の解説:興味の強い物に一度注目すると次の活動に移ることが難しい
指導・支援の方向性:強く注目している物を終わりのボックスに入れたり。目隠しをする。その時に一緒にNOマークの指示の提示と次の活動の提示も入れる。
基礎研修時の記入の仕方では1つの場面にしか影響しません。アドバンスの例のように様々な場面にも影響する記入の仕方で書くことが大事になります。
●協働チームに説明してわかるように記入
特性シートの最終的な目的は、親御さんも含む支援の協働チーム内で特性とそれに関する支援計画を共通認識することが大切になります。
そこで、特性シートは協働チームが本人の特性をイメージしやすいように、集約して整理して書き出すようにします。
具体的な場面に関してはあまり多くならないようにして、解説の補助程度で絞り込んだ1つぐらいで書き込むことが大切です
●演習:アドバンスな書き方で書き取る練習
上のアドバンス研修の書き方を押さえながら、基礎研修の時とは別の対象の方でアドバンスの特性シートの記入を実施してみてください(同じ方でもOKです)。
アドバンスでは基礎研修のステップ1~3は実施しません。観察しながら、直接、自閉症・発達障害特性シートにメモ書きします。
それをもとに、特性シートの上の「受容コミュニケーション」の欄から下の方に記入してみてください。もちろん空いている部分があってもかまいません。書ける部分を書き続けるのです。
ある程度の記入が終ったら、近くにいるスーパーバイザーに添削や解説の練習を依頼して見てください。
特性シートの記入につては書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』の14~17頁に解説を掲載しています。
また、書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』ともに記入例を掲載しています。
【関連記事】
●自閉症・発達障害特性シートの抽象度合い”真ん中あたり”のイメージ
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