本日は、氷山モデルの視点をちょっと違った例でお話します。(氷山モデルに関してはこちらをご覧ください)
名付けて”垣根の草取りモデル”です。
以前の職場で、垣根の草がのびて目立っていたので、スタッフに草取りをお願いしました。
次の日垣根は綺麗になってました。しかし、数週間立つと草がピンピンとのびてきました。
そうです、スタッフは、垣根から飛び出している草だけをチョキンチョキンと切っていたのです。
で、その時にスタッフに注意するのを忘れて、
「これって氷山モデルじゃん」とケタケタ笑ってしまったんです。
●垣根の草取りモデル
自閉症支援の中で起こる様々な課題になっている行動を止めさせても、本質的な要因は解決していないので、問題となる行動が再現したり、違ったもっと大きな課題となる行動が現れる様子を、この垣根の草取りに見たてたのが【垣根の草取りモデル】です。
垣根の上から出ている草(自閉症支援の中の様々な課題)をただ切っても、その瞬間は解決しているように見えますが、本質的には解決していません。
出ている草の下には茎や根っこ(直接要因・間接要因)が残っているので、しばらくすると草(自閉症支援の中の様々な課題)が出てくるのです。
だから垣根から出ている草の上の部分だけを切るのではなく、そこから葉や茎をたどって、茎・根っこ(直接要因・間接要因) から抜かないと(解決しないと)いけないのです。
ここで言う出ている草は、課題となっている行動だけではなく、その他の様々な自閉症支援の課題も同じです。
情報を収集し、要因を探って、整理し計画を立てることが重要です。
いきなりプランニングを立てることはきっと垣根の上の草だけを切ってしまう計画になっているかもしれません。
PLANからではなく、SEE=アセスメントから始めることが重要です。
●ちなみに氷山モデルは?
氷山モデルも同じ視点です。問題になっている行動=氷山の一角だけを介入しても、氷山は小さくならない、その行動の要因に注目して、その要因に介入していくことが重要だとする視点です。
書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』の解説や事例では、氷山モデルの要因の部分を、「本人の特性の要因」「環境・状況の要因」「本人の気づき」をアセスメントし書き出す氷山モデルシートを用意しています。ちなみに、垣根の草取りモデルシートは作成は予定されていません。
氷山モデルシートはワークシート集ページからダウンロードできます(こちら)。
※活用、記入に関しては書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』(104~105頁)を参考にしてください。
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