●フレームワークの軸は特性
自閉症・発達障害特性シートは、書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』の中で中核のフレームワークシートです。
その理由はシンプルで特性を中心して考えた支援の方が効果があるからです。
特性シートでは、いくつかの特性に関連する行動や様子を書き出し、各特性ごとに支援・指導の方向性を書き出していきます。
そのヒントとなる資料として書籍では『自閉症・発達障害特性解説の手引き』を掲載しています。特性ごとに、方向性を説明しています。
●特性は特性、支援は支援の支援
地域の様々な自閉症・発達障害に対する支援を見ていると、特性は特性、支援は支援になってるように感じることがあります。
例えば、言語指示は苦手だったり、不安定だったり、整理が難しかったりという特性がある人にも言語指示を中心の支援になっていることがあります。
空間や時間を整理して考えるのが苦手だとわかっているのに、整理して提示する構造化や環境設定をしないで、自然に設定しようとする支援者もいらっしゃいます。
それでは合理的配慮にはなりません。
●特性から支援を考えるのは実はシンプル
私は、特性から支援を考えるのはそんなに難しいことではなく、シンプルだと考えています。
いくつかの特性で少しあげてみます(そのほかは、書籍の解説の手引きをご覧ください)。
【受容コミュニケーションの特性】
言語指示では、理解できなかったり整理できなかったりするのであれば、本人の理解できる視覚的な情報で伝える。
【表出コミュニケーションの特性】
言葉で自分の気持ちを伝えることが難しければ、代替となるコミュニケーションのツールを活用する。
自然な状態でコミュニケーションが広がらなければ、計画的に機会をつくりスモールステップで教える。
【時間の整理統合の特性】
周囲の状況だけで判断して見通しを持つことが難しければ、視覚的なスケジュール等で見通しを伝える。終わりの見通しがないと切り替えが難しければ、個々の理解にあわせて終わりを伝える。
【空間の整理統合の特性】
状況にあわせて柔軟に物を配置し、調整するのが難しければ、物の整理した状態で提示したり、物の配置を本人のわかる情報で伝える。
【変化の対応の困難さ】
日課の変更をすることに抵抗を示すのであれば、日ごろからスケジュールなどを活用し、日々の変更や、緊急の変更を視覚的また習慣化して伝える。
などなどです。
※その他の特性に関しては書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』の中の「自閉症・発達障害特性解説の手引き」をご覧ください。
なお、講演の内容及び主催者の意向で変わりますが、一部の研修では「自閉症・発達障害特性解説のハンドブック版(現在は『フレームワークを活用した自閉症支援副読本』)」も公開してます。
個々の特性を書き出し、シンプルな計画を立てて、そして継続的に調整をすることが、きっと合理的配慮の近道ではないかと思います。
●自閉症・発達障害特性シートをご活用いただき特性と支援を書き出してみてください。
●まずは書き始めすることが大切
まずは書き始めていただいて、それを続けていただくことで、観察し、直接特性シートに記入する力がついていきます。特性シートは、書き続け、その時に最善の内容にしていくことが重要です。
また、書いたら、それを使って、協働チームや保護者に解説することも力がつきます。
ぜひ、始めて続けてください。
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