ASD(自閉スペクトラム症)とADHDの人への指導・支援では優先順位を立てることが重要です。
どの課題を教えるのか?
どの行動を介入するのか?
思いつくものを片っ端からやっていく視点では、本人の豊かで自立的な生活から考えると漏れが生じます。
そもそもすべての内容を指導・支援することは本人にも支援者にも負担がかかります。
書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』の中では3つの視点でまとめていますが、この記事ではさらに追加して5つの優先順位を立てる視点をお伝えします。
- 安心や自己肯定感
- 本人や保護者のニーズが強い(または注目している)
- 今と将来の日常生活における重要度
- 年齢的な視点(ボトムアップ・トップダウン・ハビリテーション)
- 達成の可能性の高いもの(本人と支援者の成功体験)※
※緊急性の高い危機的介入を除いて
※達成の難しいものは長期的な計画が必要になる
● 安心や自己肯定感
どんな課題も、安心できない状況があったり、自分を肯定的に観れない状況ではうまくいきません。
見通しのある安心できる基盤づくりと、本人が自信と自尊心をもって生活できる状況づくりが優先順位を立てる時に重要な視点になります。
安心や自己肯定感の状況づくりとして、明確な境界のある成功体験のスタッフが必要になります。
詳しくは、『ASD支援のスモールステップについて』のページをご覧ください。
● 本人及び保護者のニーズの高いもの
本人や保護者のニーズが高いものから始めることは、支援にも大きな影響を与えます。
本人や保護者のニーズが高いものは注目されているものです。だからこそ成果が出やすくなります。
本人や保護者のニーズから始めることで、信頼や協働関係が深まります。
どんなに支援者が側が注目していなくても、その本人や保護者のニーズから始めることを1つの視点として持つことが重要です。
支援会議や懇談、相談で、日ごろから、どんなことを優先しているかを確認しておくことが大切ですね。
●年齢的な視点
課題の内容によっては、ある年齢では課題にならなかったり、優先順位が低くなります。
年齢は、生活年齢と発達年齢の両方が重要になります。
また、年齢・年代の視点として、ボトムアップ・トップダウン・ハビリテーションの視点が必要になります(詳しくはこちらのページをご覧ください)。
● 現在と将来の生活での重要度の高いもの
指導・支援の目的は現在と将来の豊かで自立的な生活です。
目的である豊かなで自立的な生活の重要度を考えながら優先順位を立てる視点は重要です。
これが無いと、感や思いつきで指導・支援を進めることになります。
現在の質の高い生活づくりは、最善である必要があります。
将来にとって重要なことを将来になってから始めても遅い内容があります。将来の質の高い生活や自立も意識して優先順位を立てることも大切です。
● 達成の可能性の高いもの
達成の可能性の高いものを優先順位を上げるのはシンプルな視点です。
達成の高いものは、本人にとっても支援者にとってもハードルの低く、成功体験の積み重ねが続きます。
成功体験の繰り返しは、本人にとっても支援者にとっても自信につながり、次へのステップにつながります。
達成の可能性の高いものを選ぶコツをリストにしました。
【達成の可能性の高いものの選ぶコツ】
- ハードルの低い課題を選ぶ
- 外堀支援から始める(詳しくはこちら)
- もう少しでできそうな課題を選ぶ
- 課題を細かく分けて(細分化して)1つを課題にする
- 本人が興味関心を活用する など
課題の優先順位に関しては、日ごろからの1対1場面のアセスメントを実施することで「何が達成しやすいのか」が明確になります。
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