●「注目すること」「注目できないこと」の特性
自閉症の方は、注意・注目の特性があります。そのことで、様々な自立、行動面に影響をうけ、支援が必要になります。自閉症教育・支援において注目に関するアプローチ、支援を整理していきたいと思います。
関連記事:注意注目の特性・転導性や切り替えの困難さ/自閉症特性カルタで深める
●注目の困難さについて理解する
注目の困難さとは、「注目できない」だけではありません。自閉症の人は、一度注意をむけるとパワフルに注目する特性もあわせて持たれています。
「注目しなければならい部分に注目できない」
「注目しなくていい部分に注目しすぎる」
という2つの注目の特性(特徴)の影響を考える必要があります。
●そこで支援工夫としては・・・・
自閉症の人の「注目しなくて良い部に注目しすぎる特性」と「注目しなくてはいけない部分に注目が難しいという特性」に対する支援・指導の方向性は。
注目しなくてはいけない部分に注目できるようにする工夫と。
注目しなくていい部分を注目しないようにする(無視できるようにする)工夫。
でシンプルに重要です。
●注目できるようにする工夫
注目できるようにする工夫としては、本人にとって具体的で理解できる情報で課題や活動を指示すること(視覚的指示)、その指示を明瞭にし強調すること(視覚的明瞭化)、さらに材料や道具が整理された状態で提示すること(視覚的整理統合)が重要になります。ただ指示し、ただ明瞭に、ただ整理統合するのではなく、この3つの視点を本人の特性を考慮し組みあわせていくことが重要です。
関連記事:課題・活動を自立するための見える形でわかりやする3つの工夫
●注目しないようにする工夫
注目しないようにする工夫のいくつかを紹介します。
1つは、上記の本来注目すべきとことを明確に提示することです。自閉症の人は、「これやらない」のNOの視点よりも、「これやっていいよ」のYESの視点の方が理解しやすい特徴もあります。
2つ目は、「これは無視します」「これはあなたにとって関係ありません」に事前・直前に教える工夫です。
3つ目は、刺激や情報を統制し(遮断して)、無視できるようにする工夫です。
自閉症の人は、無視することが得意ではありません。無視できるように意識しないようにする具体的な支援が刺激や情報を見えなく、聞こえなく、感じなくする工夫です。
この3つの工夫を本人の特性を考慮し組みあわせていきます。
関連記事:刺激の統制の目的は、刺激を少なくすること?注目すること?
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