●支援者がポジティブだと思っているネガティブな発言
発達障害、自閉症の有無に関わらず、保護者の気づきがでた時、また悩みなどのニーズが出た時に、支援者は本当の意味でポジティブに対応することが必要になります
しかし、とくに早期支援を担当する専門職の中には、ポジティブだと思って以下の発言を平気でします。
「気にしすぎですよ」
「大丈夫」
「みんな同じですよ」
「もっと大変な子いますよ」
これらは気づきがある保護者にとってはネガティブでしかありません。
また、中には保護者の中にはポジティブにする方もいます。
しかし、それは将来を考えるとリスクが大きい。
気づき、悩み、見通しがない保護者に対してどのようにすればポジティブなアプローチになるでしょうか?
●傾聴と尊重
まずは価値観をすて、保護者の気づきを聞くことが大切です。
その時に個人的に過剰に共感するのではなく、そのありのままの気づきを保護者が持っていることを尊重するというのが大切だと思います。
例「今、お母さんはそのように感じてるんですね」
●チャンスとして情報を提供する
たとえ保護者が過剰な不安、気づきをもっていても、そこから保護者との育児・療育のスタートをするチャンスになります。
そこで、傾聴しニーズを確認したあとの大事な情報提供は見通しを伝えることが大切です。
いつまでにアセスメントをして、いつ再度話をするのかを決めるのです。
例「本人の言葉の理解に関して、アセスメントをしてみます。アセスメントの方法は(省略)です。その上で○月○日にもう一度話しをさせてください」
●アセスメントをする
その子全体をアセスメントすることも大切ですが、保護者のニーズの部分に関連のある内容をアセスメントする必要があります。
これについてはフォーマルなアセスメントもあれば、インフォーマルなアセスメントもあります。
インフォーマルアセスメントについては、『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』をまずおすすめします。
この2つにはたくさんのアセスメントに対応するフレームやシートが用意されています。
●今後との計画を丁寧に話す
アセスメントをもとに丁寧に話しをします。その時に保護者から聞いたニーズの判決なんていらないのです。
ニーズからアセスメントした上で、今わかって工夫する点、見守る点、教える点、支援が必要な点、今は教える時ではない点などを具体的に見通しとして伝えます。
例「今の段階ではそれは本人にとってハードルが高いです。なので将来のそのスキルにつながる○○を課題にしてきますが、いかがですか?」
●まとめ
保護者とのコミュニケーションで一刀両断は禁物です。
保護者の気持ちや立場を想像しながら、相互のコミュニケーションを繰り返すことが大切です。
そして支援者と保護者の視点の違いをオープンに出して共通した目的に向かって協働作業を繰り返すイメージが大切なんです。
【関連資料】
保護者との協働のしおり
https://bouzan-note.com/wp/wp-content/uploads/2013/05/eBOOK001.pdf
保護者の立場で考えて「お母さん気にしすぎですよ」
https://bouzan-note.com/jiha/1603.html
保護者との協働で大切なのはセオリー・オブ・マインド
https://bouzan-note.com/jiha/3244.html
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