自閉症及び発達障害の人は人生の中でたくさんの移行があります。その時に何をバトンとして移行先に渡すかによって大きな違いがでます。
これまで私が関わってきた事業所では、幼稚園等への移行や、卒園後学校への移行など、移行に関するアプローチや移行支援ミーティングが続いています。
移行支援(ミーティングを含むプロセス全体)で、生活場面ごとの具体的で細かい支援の方法をバトンとして伝えることが多いのですが、その移行がなかなかうまくいかない場合ことが多いようです。
細かい具体的な支援の方向の移行は、生活環境、生活内容が変わる移行支援では、なかなかうまいかないと考えられます。
しばらくは移行されても継続できないことも起こります。
そこで、特性の理解やそれに付随する支援及び指導の方向性、つまり生活全般に関係する中核的な支援計画、「軸の計画」をバトンとして渡すことが重要になります。
書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』では、この軸の計画をA計画としています。
移行の時には、どうしても具体的な生活場面ごとの支援を移行元も移行先も意識します。
しかし、生活内容や環境が大きく変わる中で、その生活場面ごとの計画すべてが再現することが難くなります。
軸の部分を伝えないと、その移行先の支援者が、新たな生活内容での計画を立てるときに、一貫した視点でできなくなります。
移行支援の期間内で、また移行支援ミーティングの短い時間内で、具体的な支援内容を無理矢理に詰める以降は現実的ではありません。
まず中核的で重要な部分をしっかりと共通認識して、
具体的な計画は、その後に本人と支援の場面を観察してもらいながら時間をかけて説明するなどしていくと良いと思います。
そこで・・・・まとめです。
【枝葉の具体的な部分よりも、まずは幹の部分を移行することが重要です】
書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』 『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』では、この軸を中心とした移行支援を基本にしています。
「自閉症・発達障害特性シート」と「個人情報シート」は、移行支援の軸の計画の資料としても活用することを想定しています。
この2つの資料が移行元から移行先へとバトンの役割になっていただければ幸いです。
※無料のメーール会員登録はこちら。記事の更新やメール登録者限定コンテンツのパスワードもお知らせします。
Amazonでの購入ご希望の方は下のリンクからお願いします。
Facebookページはこちら
facebookページ ※facebookページのIDがない場合も観覧はできます。ご覧ください。