『フレームワークを活用した自閉支援』には、一貫したチーム支援のための3つの記録と計画の視点があます。
以下は書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』及び『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』で紹介したABCの3つの計画に、新たに【経過記録】を追加して整理したスライドです。
●参照する記録と計画(A・B計画)
まずは支援の方向性を統一させる【参照する記録、計画】です。生活デザインでは、A計画、B計画の部分です。
これらは頻繁に確認できるものではなく、様々な具体的な支援計画を立てる時に参考にします。様々な具体的な計画がブレないようにする軸や骨格になる部分です。
OJT(日頃の現場でのトレーニング)等ても活用します。振り返りのシート。主なシートは以下になります。※ワークシートのページからダウンロードできます。
- 特性シート
- 個人情報シート
- 情報理解・基本スキルアセスメントシート
- 構造化支援シート
- 生活支援シート
●考察、プランニングの記録と計画(C計画)
自立支援や行動支援などの具体的な計画を立てるための考察を助けれる補助シート。チームでのアセスメントをまとめ、重要な情報を絞り込むシートです。個人で考察し、チームに提案し実施したり、チームで考察し実施したりするためのアセスメント記録と計画をまとめるものです。
実施したら、A・B計画に落とし込んだら不要になります(すてる必要はない。手書きならばPDFにして保存。エクセルデータは同じような支援の参考資料やテンプレートになる)
主なシートは以下になります。
- 自立課題シート
- 自立課題アセスメントシート
- タスク計画シート
- 氷山モデルシート
※短期目標の補助シート。
※監査資料に無理に入れない。
※ミーティングの補助資料でもある。
●経過記録と調整・再設定(生活デザインでは、この部分もC計画に入る)
【参照する記録と計画】【考察、プランニングのシート】の事前・事後では、効果測定や実施の確認のために計画記録を書いていきます。
フレームワークシートでは、経過記録のためのシートがワークシートのページからダウンロードできます。
経過をシンプルに記録することで、効果測定、本人の状態やチーム内の支援のバラツキなどが見える形になり、調整や再設定が可能になります。
そのことで、一貫したアプローチにつながります。
※なんでもかんでも経過記録をするのは大変なので、絞り込んだ、ターゲットを決めた記録をすすめる。
※内容、活動、時間、優先順位などで絞り込む
※自立度、達成、行動の有無、軽減
以下は主なシートと役割です。
【自立度チェックシート】
活動、課題の工程や短期目標を項目に書いて経過を記録します。
●工程・要素ごとに自立を記録
達成、未達成を記録(例 P合格、E芽生え、F不合格、+自立)
プロンプト(手がかり)を記録(例 言語指示V、ジェスチャーG、モデルM、手ぞえP)
●自立ができていない部分を課題分析して記録
【インターバル記録】
ある時間からある時間まであったか、なかったかを記録(例:物を投げる行動 9時〜15時までを15分でくぎって、あった場合はチェックをいれる)
【ABC記録】
記録が文章になるので、かなりターゲットが明確な時の整理で使う(ワークシートのページの「行動特性観察記録シート」を活用ください。)
【経過記録シート】
フレームワークシートの中には、経過記録を日時と行動・様子等の観察、支援の再調整を記入する欄があります。
また、日時と行動・様子等の観察、支援の再調整だけの「経過記録シート」があります。
これらは、主には文章で記入して、支援の再調整をしていきます。
など以上です。
●一貫したガイドラインと調整
「支援の一貫性が保てない」と言う声を聞きます。
いろいろな理由があります。
そもそも一貫したガイドラインがない、現状にあってないかもしれません。その時は、参照のA・Bの計画の見直しを進めます。
具体的な支援の組み立てのためのスキルがチームで不足しているのかもしれません。その時は、考察のCの計画を使って、個人のトレーニングや、チーム全体のトレーニングを進めます。
チーム間でバラツキがある場合は、A・Bの再確認だけではなく、経過記録でバラツキの影響を記録しチームの問題意識を引き出します。
皆さんの支援現場で、フレームワークシートがチームの一貫性を助けてくれると期待します。
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