自閉スペクトラム症の方の言葉の理解の仕方の特徴に【字義通りの解釈】があります。
言葉または文章通りを通りに理解するものです。
●【字義通りの解釈】の特性かるたと支援と指導!
状況(空気)を察することを想定した指示を、状況を読めずにそのまま字義通りに理解する場面があります(例︰『いつでも相談していいよ』→いつでも相手の状態を気にせずに相談する)。
慣用句やことわざ、比喩なども、その文章通りにとってしまうことも、よくあるある話として自閉スペクトラム症の様子としてあげられます(例︰『首を長くして待つ』→首を長くする様子が浮かぶ)。
● 受容コミュニケーションの特性の影響
字義通りの特性は、自閉スペクトラム症の受容コミュニケーションの独特な特徴とも言えます。
言葉や見えている物(文章)をそのままとってしまい。裏の意味、総合的な判断が難しい場合があります。
● 関係理解の困難さの特性の影響
字義通りの解釈は、その言葉、文章を1つの限局的な(文字そのものの)意味に結びついてしまう特性です。
文字そのものの意味ではなく、文脈=状態をとらえた裏の意味、たとえに着目して、総合的な理解することが難しいことから起こります。
教科学習により、例えば意味は理解したとしても、字義通りのとらえ方に引っ張られることがあります。
● セオリ・オブ・マインドの特性の影響
字義通りの理解になる要因として、情報の発信者のイメージを想像したすることの困難さも考えられます。
相手は言葉だけではなく、雰囲気、状況で曖昧に伝えることがあります。
それが自閉スペクトラム症の人にとっては把握できなかったり、自分のイメージに引っ張られた解釈になることがあります。
● 支援・指導の方向性
字義通りの解釈の支援は、シンプルだと思います。字義通りに解釈することを想定した情報の提示が大切になります。
以下のような支援があります。
- 慣用句、比喩をつかわない
- 曖昧な表現や、想像が必要な表現をさる
- それしかイメージできない具体的な内容で伝える
- 字義通りに解釈することに配慮した言葉選び(「注射は痛くないよ」→「ちかっと痛い、でも、およそ数秒で終わる、終わったら◯◯だよ」)
- 5W2H(いつ、どこで、だれに、何を、なぜ、どのように、どのくらい)で伝える など
もちろん、教えることもあります。
- 時に人は曖昧に伝えることがあること
- わからない時などに質問すること
- 慣用句か比喩の意味やつかわれること
- 相手の本来のイメージ など
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