支援現場で突然、目の前で、サポートしている自閉症の人が混乱し、パニックになりました (仮定)。
どうしようかと悩んだり。サポーターが動揺してパニックになったり。
そんな、のんびりしている時間はありません。
さぁ~どうしますか?
とにかく近づいて慰め、声をかけてあげる?
A案:目の前にいって、ぐっと顔をあわせて、「大丈夫よ。大丈夫。」と一生懸命伝える?
それは、あまり良い対策とは言えません。
B案:数人の支援者がよってかかって対応するなんてのは最悪ですよね。
パニックの時の本人の脳では、もの凄い情報の混乱が起こってます。それは想像を絶する困難さです。そんな時に上のような対応をしたらどうですか?
上記のA案・B案では、さらに脳の情報の混乱が激しくなり。困難さは大きくなる可能性があります。
自閉症の人の狭い視点の中がパンパンな状態なんです。
介入や指示、刺激が1つでも加わればさらに混乱が激しくなる場合もあります。
本人の命、安全や周囲の安全のための緊急性に応じた身体的なブロックは行うことがあります。
しかし、基本は体だけではなく、頭を使って、最初の支援を開始することが大事です。
以下は心構えの話で実際にはなかなか難しいのですが。以前よく講演で話した内容ですが、
1秒で冷静さを取り戻し、冷静な判断を開始する。
5秒以内で現状で起こっていることを確認する。
・本人の状態
・環境把握(本人以外の人、周囲の状況など)
10秒以内に本人の安全と周囲にいる人の安全を把握する。
・要因になっている刺激の把握
・周囲に壊れやすいものないかの把握
・周囲の人や環境の状態把握
30秒以内に安全のための環境を整理し、安全面の確保する。
・要因になっている刺激の統制、除去
・周囲に壊れやすいものを隠したりとおざける
・その他想定される危険を回避
・周囲の人には距離を保ってもらいます。(障害の理解とか、本人の解説を丁寧に伝えている暇はありません。簡潔に伝える)。
これがスタートの瞬時の支援です。
支援者の中にはいきなり本人に直接介入することは、本人と周囲の人の安全上のリスクは高くなります。
そこで、この30秒の判断が、その後のサポートを左右します。
この判断は自閉症の本人にとっても重要です。
- 情報がより複雑にならならず、早い段階でクールダウンできます。
- 人の対応の変化が最小限におさえることができる。
- パニック時に物の破壊、人への他害という経験を避けることができる。
などです。
良かれと思っている支援が、逆の結果を生むことがあります。まず冷静に最初の対応が必要です。
もう1つ、その30秒対応の後ですが、
- 安全面の配慮を続ける
- 本人がある程度クールダウン(カームダウン)するのを待つ
- クールダウン(カームダウン)したら、安全場所や次の活動に移行する指示を提示する
- 日常の生活に戻る
が私が基本としているイメージです。
基本ですので、時と場面によっては変える必要があります。
ポイントは感情で支援しないことです。
感情ではなく、冷静に優先順位を立てることが重要です。
この応急的な対応にならないように、
支援の見直しをしていくことが重要です!
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