自閉症・発達障害の人の中には、複数のことをいっぺんに処理することが得意でない方がいます。
そこで教育や支援の時に、複数のことをいっぺんに教えない工夫が必要になります。
自閉症・発達障害児・者への教育や支援の中での工夫を数回にわけて紹介しています。
今回は『一度に教える課題を1つに絞り込む』です。
【一度に教える課題を1つに絞り込む】
教育・支援の中の様々な指導場面で、一つの場面において複数の課題(目標)を設定してしまうことがあります。
それにより1つの課題すらも注目できなくなることがあります。
1つの指導場面では1つの課題だけを教えるように計画する必要があります(1つ1つの課題の中で複数の課題にならないようにすることが重要です)。
しかし、指導者・支援者は、指導しながらどうしても他の課題も気になり、無意識に二重の課題になっていることがあります。いくつかの例を提示します。
例1)概念学習と微細運動の二重課題
例2)1つの課題を複雑な集団の中で実施(自立課題と社会性の二重課題)
例3)機能的スキルの課題を刺激の多い環境で教える(課題と刺激を無視することの二重課題)
このような二重課題になった時に、片方の課題だけしか気づかなかったり、
どちらの課題にも気づかなかったりすることがあります。
だから、1つの自立課題では、1つの課題に絞り込みしたほうが効果的に学習できると考えます。
幼児・学齢前期、重い知的障害をもつ方に、一体型のタスクを設定しますが、持ってきたらすぐ1つの課題だけに注目できるようにするために、材料や道具を並べることを課題にしない設定の1つの工夫です。
11月27日オンラインで課題分析をテーマにした研修があります。この記事の絞り込みのヒントになります。
http://www.npo-compass.com/seminar.php
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