いよいよ新年度が始まります。今度の新年度は新しい年号になるのもあり、様々な変化がまってますね。
自閉症の人にとって変化はハードルが高いものです。しかし、その高いハードルを低くして、新しい場面で成功を経験すれば大きな自信とその後の自立につながります。
大事なのは新しい生活がはじまる1日目から気を配ることです。
その1日目にやると良い影響をあたえる内容を書いてみます。
●本人が道具を運び指示された場所におく
入園や入学の時に周囲の大人が荷物をもっている場面を見ることがありますが、それは避ける必要があります。
新しい場所での生活をより具体的に本人が経験するときは、本人がその場所への引っ越しに参加する事が大切です。
主要な物一個でもいいので、必ず本人に持たせ、事前に本人のマーク、物の絵の視覚的な指示をつけた場所に本人が置くよう導いてください。
これにより、この場所で生活が始まること、自分が活動する場所であることが明確に感じることができます。
●見通しを伝える
1日目に本人にわかる形で見通しを伝えてくみてださい。できれば変更も伝えてください。
「視覚的な支援は少しずつ」という考えは間違いです。
新しい場所は本人にとっていつも以上に見通しが持てない場所です。そのため不安も大きくなります。
1日目から視覚的か見通しがあると、そこではそれが標準になります。視覚的なものが当たり前になるのです。
1日目こそ視覚的に見通しを伝えることが重要なんです。
視覚的な見通しとしては、日課や手順、さらにエリア(場所の意味、目的)が明確なことが大切です。
●避難、回避の仕方を決めておく
新しい1日目には、本人にとって大きな不安、混乱、嫌悪感が起こります。そうなってから避難や回避の仕方を決めても遅いのです。
事前に、避難や回避の仕方を決めておくことが大切です。主な決めておくことをリストにします。
- 参加の仕方や内容、時間も含めた目標を決めておく
- 避難や回避の必要な本人の状態の把握する
- 避難や回避の場所やすごし方を決めておくおく
- 避難や回避時の本人からの要求の方法や、本人への提示の方法を決めておく
- できれば事前に避難や回避の場所や内容を落ち着いた時間に使っておく
認知の状況にあわせて、本人と予定の確認や参加の仕方、緊急時の対応などを確認したり、選んでもらったり、調整したりすることも大切です。
●探索、散策を容認できる工夫をする
新しい場所では、見通しが持てないために、様々な場所を探索、散策される自閉症の人がいます。
そこで、例えば、その探索、散策の時間を想定して早めに入るとか、探索、散策の活動をスケジュール等にいれるなどの工夫をしておきます。
入ることが将来的にプラスではない場所は入れなくする工夫も必要な場合があります。
●成功体験で終わるために工夫する
1日目をできるだけ成功体験で終わらせることが大切です。しかし、その成功の意味は個別で意味も工夫も変わります。
例えば、成人の事業所を利用されるAさんは、1日目からその後に続く生活内容をできるだけ経験することが大事で、その1日目は特別メニューよりも通常メニューがいいかもしれません。
例えば、児童発達支援事業所を利用開始されるBさんは、あまりに最初から長い時間利用すると、嫌悪感と混乱が続くので、1時間の中で1対1のエリアと遊び、おやつのシンプルな習慣を経験することが成功体験になります。
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