●般化の肝は「変わる部分」「変わらない部分」
般化について整理しています。まずはこちらから。般化の困難さについてご覧ください。
般化の意味をもう一度整理すると、似通っているをひとくくりにすることです。
私達の生活では、この般化していくことで柔軟さを持つようになります。
その内容は多岐にわたり、概念(意味)、動作、行動、機能的スキル、考え方、ルールの理解、対人関係などです。
「般化すること=似通っているをくくること」をさらに考察すると、一貫して変わらない部分と、一貫しない変わる部分に整理できます。
●「変わらない部分」と般化
般化のプロセスの中で、「変わらない部分」は、一貫した部分であり、その1つの事柄(意味、動作、スキル、考え方、ルールなど)についてのブレない基本軸になります。
どんなに付属する内容、状況、環境、材料、道具が変わっても、変わらないことに気づくことで般化につながります。
自閉症の人は、違っている部分に強く注目すると似通っている事柄について注目できないことがあります。
「変わらない部分」を教えるためには、明確な本人にわかる指示で伝えることが重要になります。また、「変わらない部分」とその他の部分に明確な境界が必要になります。つまり構造化が必要になります。
●「変わる部分」と般化
般化のプロセスの中では、「変わる部分」を無視することが必要になります。
1つの事柄(意味、動作、スキル、考え方、ルールなど)では、必ずしもいつも同じなると限らない付属する部分がそんざいします。その変わる部分があっても、それを注目しすぎず、1つの事柄=基本軸に注目する事が般化につながります。
自閉症の人は、この変わる部分=違っている部分に強く気づいて無視できないために、似通ったものをひとくくりにすることが難しくなる場合があります。
「変わる部分」を無視できるようにするためには、まずは「変わらない部分」=基本軸をだけをシンプルに学ぶ設定が必要になります。その設置がシンプルな環境である1対1のエリアから教えることです。基本軸を深めるためにいくつかの例題を用います。そして、少しずつ事例を広げていきます。
場面、状況、環境の変わる部分は、計画的にまずはシンプルな1対1の場面から始めて、自立エリア、地域・応用のエリアと広げていきます。
重要なポイントは、まずは内容等の変化・事例から始め、少しずつ場面等を変えて般化を進めることです。
【例:色の概念】
●「変わらない部分」「変わる部分」を書き出そう!
1つの事柄(意味、動作、スキル、考え方、ルールなど)を教えたり、支援したりするときには「変わらない部分」「変わらない部分」を書き出すと、何を基本として教え、何を事例として変えていくのかが明確になります。
以下のシートは、「般化のプロセス」を支える「般化プロセスシート」で、「自立課題シート」「氷山モデルシート」などを補助するシートです。
今回の記事を参考に書ける部分をまず書き込んでみましょう(課題になっている内容、変わらない部分、変わる部分)。
※3つのステップのプランニング2ついては、また別の記事で紹介します。
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