自閉症支援で、相談や1対1で話をする場面を習慣化することを書籍やWebサイトで伝えてきました。その意味の一部を紹介します。
●ハードルが高い内容から始めない
地域の中の相談が、ニーズが高まった時にスタートすることが多いように感じます。しかし、それは本人にとって「相談」がネガティブな場面になってしまいます。
幼児期・学齢前期から本人にとってあまりリアルではない、どうでもいいことから相談を始めることで習慣化することがポジティブな相談イメージつながると思います。
ニーズではないどうでも良いテーマ、内容で情報を伝えたり(コメント・情報提供)、他者のアイデアを聞いたり、自分の考えを踏まえ、他者のアイデアを活用したりして、相談を習慣化していくことが、相談場面の拒否やネガティブなイメージを持つことを回避できるのではと考えます。
私は、相談場面では、ニーズよりも、まずは習慣が重要だと考えます。将来のニーズに備える準備が必要なんです。
それが「ニーズではなく、どうでもいいことから習慣化する」意味です。
●「いつ」「どこで」「何を」「どのくらい」で習慣化
良い相談の習慣化を進めるために重要なのが、「いつ」「どこで」「何を」「どのくらい」の具体化です(さらに言えば「どうなったら終わりか」「終わったら何があるか」)。
これを曖昧にすと、自閉症の人たちの中には、相談の見通しを持てなくて相談拒否や混乱を持たれる方がいます。また、どんな場面も相談場面になって活動、仕事などに影響を受ける方もいます。
「いつ」・・・日程の中に入れる、時間(帯)を決める、変更も伝える
「どこで」・・・相談の場所を決める。相談にあった環境設定にする
「何を」・・・例えばテーマ・内容を決める、選択肢を用意する、本人のニーズをリストアップする
「どのくらい(+いつ終わりか)」・・・時間を限定する、相談内容を絞り込む、ゴールを決める
「(終ったら何があるか)」・・・見通し、相談からの切りかえ、相談と日常の境界を明確にする
●相談と日常の見通しと境界を明確する意味
「いつ」「どこで」「何を」「どのくらい」で相談場面を具体化し、そして習慣化することで、見通しと境界を明確にすることができます。
特に「いつ」「どこで」がはっきりすることで、その他の時間、その他の場面での「相談内容を気にしない」「やるべき活動に注目できる」などの効果を生むこともあります。
逆に「いつ」「どこで」「何を」「どのくらい」を具体化しないことで、常に相談内容が気になったり、他の場面で相談内容を気にしたり、見通しがないことの不安につながったりすることがあります。
私は、幼児期・学齢前期からの相談の習慣を重視しています。しかし、成人期からでも遅くありません。まずは相談の習慣化が大事なんです。
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