皆さん「整理統合」って知っていますか?私の講演やwebサイトで「整理統合の困難さ」としてよくでてきます。
今回は自閉症の教育や支援で使われる整理統合の意味合いを考えてみます。いろいろ難しいこともありますが、現場の支援者や先生方に知って欲しい内容を書きだします。
●整理統合の意味
「整理統合」とは簡単にいうと「選ぶ」ことです。私たちは、様々な状況を把握して、いろいろなことを選んでいます。また、選びなおし、つまり調整したり変更したりします。私はこのことを整理統合と現場で使っています。
例えば調理の時には、まず買い物に行きますが、まずお店を選びます。食材などを選びカゴに入れ、玉子や食パンなどは後半にカゴに入れます。家に帰ると食材を冷蔵庫に入れる(時間を選んでいる)、まな板の置き方、食材の置き方を工夫します。調理の手順を選び、そして時には煮え具合などで変更します。セッティング、盛り付けなどなどなど。調理1つでもたくさんのことを選び、調整し、変更しています。これが整理統合です。
調理ひとつとってもたくさんの整理統合が必要になります。生活の中では、たくさんの整理統合が必要な場面があります。
【整理統合】・・・周囲やこれまでの流れなどの全体の状況を把握し、様々なことを選び、調整し、変更すること
です。
サッカーなどのスポーツもたくさんの整理統合が必要になります。
教室でも選びこと、調整すること、たくさんの変更があります。
●整理統合の困難さ
自閉症の人は、全体である状況を判断したり、全体を意識しながら分析することが困難です。そのために整理統合=選び、調整し、変更することが困難さです。時には選んであげたり(提案したり)、自己選択できるように選択肢を用意したり、整理した状態で伝えたりするサポートが必要になります。
●生活するための2つの整理統合
様々なことを私たちはは整理統合=選び、調整し、変更しています。その中で生活に密接に関係している整理統合が2つあります。それは「空間の整理統合」と「時間の整理統合」です。
【空間の整理統合】は、材料や道具、自分の位置など空間の中にどこに配置するかを選び、調整し、変更することです。
【時間の整理統合】は、日課やいくつかの活動の流れ、手順などを選び=計画を立て、調整し、変更することです。
この2つは、自閉症の人にとっては自動的には難しいことが起こります。
そこで見通しを伝える視覚的な支援としてスケジュールやワークシステム、手順書などを活用するサポートがあります。
●その他の整理統合
時間の整理統合や空間の整理統合以外にも私たちはたくさんのことを選び、調整し、変更しています。
例えば生活の中では、周囲の状況にあわせて対人関係の人や内容を選んでいます。また、時には対人関係をしないという選択肢も必要です。また、状況や相手にあわせてコミュニケーションの形、内容を選びます。
私たちの生活の中では、様々な整理統合が必要です。そして自閉症の人にとって難しい場面があり、サポートが必要になります。
●整理統合=選ぶことのサポートはシンプル
整理統合、つまり空間や時間を選ぶ、調整することの困難さをもつ人へのサポートはシンプルです。
- 選んであげる
- 選択肢を与える
- 整理して提示する
になります。それらを生活に組み込んだののが構造化のアイデアです。
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