●習慣化することの強みを活用する
自閉症の人は、いつも同じであることを好み、習慣化することは得意といわれます。
私たち教育・支援者は時にその強み「いつも同じであること(習慣)」を活用することがあります。
例えば、視覚化されたスケジュールのチェックの仕方などです。
しかし、支援者の中には、「一日の活動をいつも同じにする」「変化をしない状況をつくる」といった支援を繰り返す方がいます。
現実的にな変更しない状況は不可能であり、彼らを狭い生活に押し込んでしまうことも起こります。
教育・支援者は、常に自分たちの支援を客観視し、『教えていい習慣』と『教えない方がいい習慣』を考える必要があります。
例をお伝えします。
【教えていい習慣の例】
- スケジュールは、いつも同じ流れ(上から下、左から右など)で確認する
- ワークシステムは、いつも同じ流れ(上から下、左から右など)で確認する
- 変更をいつも決まった合図、システムで確認する
- 変化の少ない活動の流れ(例えば、家事としての食器洗い※の左から右の流れ)
- 活動の開始の流れ、活動の終わりの流れが決まっている
- 避難訓練の後は、指示を確認して次の場所に移動する
- 材料の準備では、ジグの個数の指示に従う
- 指示された場面で報告する
- 先生と1対1の場面で新しいことを学ぶ
- 一人で勉強する、一人で遊ぶ
- 「終わり(や禁止)」「待つ」の指示に従う
- 嫌な活動の後には楽しみの活動がある
- 自分のことを人に相談する時間がある など
【教えてはいけない習慣の例】
- 一日の日課がいつも同じ
- ワークシステムの最後はいつもオヤツ
- 仕事(勉強)はいつも「1」→「2」→「3」
- 避難訓練の後は流れで教室に戻る
- 材料は5個しか準備できない(他の個数準備できない)
- 仕事の終わりは必ず終わりの報告
- 支援者が決まっている など
いくつかのポイントを整理します。
- 将来変更がともなう活動は習慣化しないで、最初から又は計画的に変更を組み込んでいく
- 指示の見る習慣、システムに対応する習慣が将来の柔軟さにつながる
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