生活の豊かさと安心の共存が重要です
安心と聞くと、「何ごともなく平穏で」というイメージがあります。
これまで私が出会った自閉症の人のなかには、「何ごともなく平穏で」を周囲の専門家・支援者に押し付けられ、
反対に生活の質も低下し、安心できない状況になっている人がいます。
実際の自閉症の人の支援をみてると、
● 過剰な刺激の統制(バーテーションなど)
● なんでも個別で活動で社会的な活動がない
● 教えられる場面もない
● 何でもかんでも周囲の支援者が察して支援する
● 自動的に活動が容易される
● ただパーターン的な生活で、新しい機会・活動がない
● 自由な時間が多い
● 適切でない行動もハード面だけで対応され、導かれることはない
など
これって、本当に「安心して生活できること」でしょうか?
曖昧で見通しをもつことができない自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
自由で曖昧な時間が多い時間が苦手な自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
自分について、周囲について、活動について教えてもらえない状況は、自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
自分の気持ちを伝えなくても周囲が察して気づいてくれることが、自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
人から守ってもらっていることすら知らないことが、自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
自ら刺激などを避け、自分で守る工夫することもない状況が、自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
大きい変化が起こったときに、パターンがくずされ、変化を伝えられることもなく、習慣もないのが、自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
ハード面ばかりで、支援者のスキルがなく、本人の行動で、大きく周囲がかわることが、自閉症の人にとって本当に「安心して生活できること」でしょうか?
大切なのは、豊かさと安心を共存させる視点ではないでしょうか?
今後、このWebサイトで、豊かさと安心を共存する視点の1つ1つ整理して、「安心して生活できる」設定について書いていきます(週で1~3回程度の頻度で)。
◆8月1~2日 NPO法人陽だまり 自閉症教育・支援フレームワーク2デイセミナーin霧島
http://bouzan-note.com/event/3333.html