●特性を軸にした一貫した教育・支援の一貫性
書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』では、自閉症の特性を中心(軸)とした一貫した支援を重視しています。
特性で考えないか(一般的視点で考えるか)、特性を軸として考えるかでは、支援計画が大きくかわります。
例えば、ただ目の前の行動を一般的な視点で「落ち着きが無い」と考えても支援計画につながりにくいです。しかし、特性として「注意が転導的に移ってくるか」で考えると「転動的になっている刺激を遮断して、注目すべき活動を指示する」など具体的な支援計画につながります。
一貫した教育・支援の計画では以下のように軸に特性を置くことが重要になります。まずは自閉症の特性をつかんだ上で、様々な指導・支援の内容を明確にしていきます。そして生活、学習、仕事、余暇など様々な場面の中でも、自閉症の特性は影響します。丁寧においた特性を念頭においた各場面ごとの指導・支援が必要になります。
【特性を軸とした自閉症教育・支援のイメージ】
●特性を軸にするために
特性を軸にするために私がおすすめしていることは、まず生活全般で気になること、同じ発達年齢(及び生活年齢)の定型発達の人と比較して違った行動や特性を紙や付箋に書き出してみることです。
それを『自閉症・発達障害特性シート』に盛り込んでいきます。 最初から正解にならなくていいのです。 書き加えながら本人の特性とそれに付随する指導・支援を書き出します。詳しくは以下の2つのページをご覧ください。
多くの地域で、すでに書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』を活用している仲間やセミナーの受講生が書いた特性シートが周囲の支援者にとっても有効活用されている事例が増えてきました。
書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』では、特性に関して1つの工夫があります。
すべての特性を丁寧には説明していません。 文中には「全体よりも細部に注目する」特性を中心に、整理統合、実行機能に関して論じています。
その他の特性に関しては「自閉症特性解説の手引き」としてつけました(書籍『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』では最新バージョンを掲載しました)。
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