●特性からか?事業所・学校の都合からか?
皆さんが関係する事業所、学校等では、
本人の特性から始めていますか?
それとも事業所・学校等の都合(事情)から始めていますか?
予算が無い、道具がない、場所がない、スタッフがいない、、、ない、、、、ない、、、で、事業所・学校の都合(事情)から始めてないでしょうか?
もちろん、私は、事業所や学校等の都合(事情)で考えることも必要だと思っています。合理的配慮は、完璧支援のことではなく最善さを目指す支援です。だから事業所や学校の都合(事情)も念頭に置きながら当事者、保護者とコミュニケーションを続けることも重要です。しかし、事業所や学校の都合(事情)もそれを最初考えるのは手順が違うのではと思います。
●特性から始める教育及び支援
以前の佐賀の実践も、広島の児童発達支援センターぐるんぱでも、現在の職場でも、協力事業所でも最初から事業所・学校等の都合(事業)を入れることはありません。
まずは、本人の特性から必要な指導・支援を考えることから始めます。そして、その後にその必要な指導・支援を実現するために、どのような工夫が可能か?事業所の事情を含めて自分たちでは難しく、他に頼らなくてはいけない部分は何か?を考えます。さらに、個々の特性から事業所・クラス全体の支援体制の調整もします。
イメージを図にしてみました。
【特性を中心とした支援体制イメージ】・・・特性を中心として個別の環境設定や支援の計画を立てます。その後、個別の設定のために事業所、クラスで最大限実現できるように工夫を含めて考えます。さらに、個別の設定に影響を受けて事業所・クラス全体の設定の改善が進みます。
【特性を中心とした事業所運営イメージ】・・・個々の特性にあわせた個別支援計画(個別教育計画)を元に、事業所・クラス・学校の支援体制を考えるイメージです。個別の視点と事業所・クラス・学校の支援体制が常にバランスをとりながら進めることで、個別も全体の運営も最善を目指す状況を構築します。
※個別教育計画という文言は、学齢期の教育及び支援を総じて使っています。個別の教育支援計画、個別の指導計画の文言をあえて使用していません。
●個別の特性から始めるちょっとしたコツ
個別の特性から始めるちょっとしたコツがあります。それは、最初の本人の特性や課題のアセスメント後の指導・支援の計画を立てる時に、「この事業所(学校等)での指導・支援ではない」「何もハードルがない事業所(学校等)での指導・支援だと」と仮定して計画を立てるのです。
それを考えた後、事業所、学校等の都合(事情)に入れた最善を考えた調整をするのです。現実はとても厳しい場合があります。しかし、まずは都合(事情)を除外して、本人の情報だけで考えるのです。
●特性を始める支援者の習慣が合理的配慮を築く
現在は合理的配慮の時代です。最初から事業所・学校等の都合(事情)で考える癖をもつ事業所・学校等では、かなり厳しい状況になると想像します。なぜならば合理的配慮を考える思考・工夫が持てなくなるからです。
最初はアセスメントに基づく本人の情報から計画を立て、自分たちができる最善策をとるプロセスを解説できる事業所・学校等は、当事者、保護者、周囲からも合理的配慮のある場所だと認知されていきます 。
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