●合理的配慮を明文化する効果
継続的アセスメントと調整の中で最善の支援を目指すことが合理的配慮につながると考えます(詳しくはこちら)。
合理的配慮のプロセスでは、アセスメントに基づいて根拠のある支援を明文化することが重要です。
明文化することで様々な効果があります。
- 当事者・保護者に理解を得やすい
- 支援チーム内での共通認識がもてる
- 行政的な指導等に対応しやすい
- 調整しているプロセスの記録が残る
- 何か問題が起きた時に経緯を振り返り、早期の調整ができる など
●フレームワークシートを活用する
私が関わっている事業所では、書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』で紹介したフレームワークシートを活用して、この合理的配慮の根拠になる情報と支援計画を明文化しています。
その資料に書かれていない支援を実施している時には、合理的配慮からずれている、虐待につながるリスクがあり、話し合いを持ち、調整するようになっています(どうにかこうにか、宮崎での最初の事業所もシステム間に合いました)。
このフレームワークシートを活用した支援体制のシステムは、少し大変に感じるかもしれません。
しかし、このシステムを始めた支援者、支援チームでは、そのシートがない状態が怖くて考えられなくなっています。
活用している支援者の声を書きますと
「自分たちの支援に自信をもって取り組める」
「チーム全体で同じ目的に向かった、一貫した支援が実現できた」
「大変だと思うこともあるが、この根拠と方向が無い状態の支援が考えられない」
「これがないと怖くて支援ができない」
「でも・・・もちろん楽ではない・・・・」(みんな正直です)
明確な目的、根拠、支援がわからないのは、継続的な合理的配慮にはつながりません。
また、明確で具体的な方向がないことは、支援者の思いつきの支援になり、うまくいかないことが連続します。支援者の中には、行き詰まり、場合にとっては虐待等のリスクも高まります。
●明文化=個別支援計画の主なシート
私の実践の中で最低限と考えているシートは以下のシートです。
- 自閉症・発達障害特性シート(まずはこれ、支援の肝・軸)
- 個人情報シート(本人はどんな情報を理解しているか?表出コミュニケーションの方法はなど)
- 構造化支援シート(見通しの手だて、環境設定が5つの構造化を中心に書き留める)
- 生活支援シート(1つ1つの場面の本人の様子と支援計画を書き留めるシート)
- 短期目標シート(本人に何を教えるか?何を課題にするか?何を活動にするか?)
※自立課題シート、氷山モデルシート、情報整理シート等は、計画を具現化したり整理して考えるための作業・補助シートです。
フレームワークシートは、最初から完璧に書くのではなく、継続的に書いて更新し最善にしていきます。
また、フレームワークシートは、考えて書くシートではなく、書いて考えるシートです。
Webサイト『BOUZAN NOTE!』では、自閉症・発達障害特性シートをワークシートのページでダウンロードできるようにしています。書籍とあわせてご活用ください。
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