(長文です。時間がある時に・・・、経験から感じた支援体制の進みやすい地域の傾向についてです)
昨日の「連携」文字を減らして、そこに具体的な協働作業・・・の記事に対して、地域支援マネジャーとして地域を回っていて、「地域支援体制が進んでいるところの傾向はあるか?」という質問がありましたので、思いつくままいくつか挙げておきます。私の主観ですので、参考ぐらいにしていただければと思います。
最初に1つ言えるのは「あの地域が支援体制がずば抜けて優れている」という地域は無かったことです。1つ1つの地域で良い部分があり、課題があります。私が強調したいことは、支援体制を都道府県で、または全国で統一した方向を出す発想はうまくいかないということです。流行りのアイデアのトップダウンの圧力が、支援体制を一貫性を保てない状況になっています。
【3人以上のキーマンが必要】
これは、実はある先生からアドバイスを受けたのですが、「3人以上のキーマンが必要」です。地域を回ってそれは実感できました。ものすごく意欲と行動力がある人が一人ずば抜けているところは、一瞬進むように感じるのですが、その人が部署を変わったりすると一挙に盛り下がります。今、私が注目している地域でコラボした保健師がすごかったのは自分がいなくなった後、しっかり3方向からキーマンが設定できるように動いてくれました。
その3人以上のキーマンは、できれば分立した関係であった方が良いです。そしてその分立した関係はあまり力加減に差がないことが重要です。どの分野かは言えませんが、力が強い専門家はアドバイザーとしてキーマンにしない方が良いです。そのスーパーマンが協働のバランスを崩します。
【ニーズの探求に時間をかけない】
ニーズを発見することは大事です。しかし、地域支援体制の会議等で、毎回毎回ニーズの探求ばかりを続けて具体的な計画にたどりつかない地域はなかなかな地域支援体制を実現することが難しい。ニーズを拾えてないことをやれない理由に使っている場合もあります。ある程度のニーズ確認をしながら今できることを探す地域は、支援体制が進みやすいように感じます。
【「やれない」よりも「やれる」を考える】
地域支援体制の大きな壁の一つに「やれない」理由を無理やり探す人がいます。「やれる」こと、「やれる」方法を探す雰囲気がある地域は、支援体制が進みやすいと感じます。「やれない」理由を探す人がいなくなったとたんに、いい方向に支援体制が進む場合があります。
【ネットワークに対して消極的な意思を持つ】
ネットワークが多ければ多いほど支援体制が進みやすいというのは迷信です。ネットワークが多ければ多いほど、進みにくいのが現状です。ネットワークは常に最適である必要があります。ネットワークのデメリットを把握して、時には絞り込んだネットワークから始める意識と勇気がある地域が、やはり支援体制は進みやすいと感じます。
【実施する内容・期限・役割を必ず決める】
支援体制づくりで(例えば会議で)「○○が必要ですね」「それは大事なことですね」と表面的な意見だけが飛び交うだけで次に進まない地域が多いとよく感じます。反対に実施する具体的な内容が出され、いつまでに、誰(どの部署)が何をするのかを決める地域は、地域支援体制は進みやすいと感じます。
【基礎研修ばかりしない=実践研修・分野別研修が充実している】
発達障害が注目され、しかも地域の様々な分野でニーズが強いことから、多くの地域が発達障害に関わる研修を実施します。しかし、基礎的な研修や啓発研修が多く、実際にどのようにアセスメントし、計画をたて、どのように実施し、どのように調整するか、保護者や当事者とどのように協働を進めるかの研修の機会は少ないと思います。地域が変わる時には、具体的な研修が必要です。「まずは理解・啓発」を続けても、具体化しません。
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