●再構造化という視点
自閉症の方への様々な支援・環境設定、構造化のアイデアは、ずっと同じではなく、再調整=再構造化を行います。
例えば、本人の状態や理解できる概念・スキルの変化によって再構造化を行います。また、生活の場所が変わったり、構造化や支援の手があってなかったりした時も調整します。この再構造化の視点は、自閉症の方の支援の中で重要なキーワードの1つになります。
●「再構造化」と「脱構造化」との違い
時々、一部の支援者・専門家からの「脱構造化」という用語を見聞きます。
私は、この「脱構造化」という表現を基本的には使いません。脱構造化は構造化を無くすイメージがあります。それは本来のイメージとの違いがあります。
「将来は構造化は無くすものだ!」の脱構造化の視点は、私には違和感を感じてしまいます。
本来は、構造化を無くすイメージではなく、設定された構造化・視覚的支援がナチュラルキュー(自然にある構造化や視覚的情報)に移行するプロセスだと考えているからです。
ナチュラルキューとは、意図的に準備しなくても自然な形に環境にある視覚的指示・視覚的構造化のことです。
設定された構造化を無理に脱ぎ捨てることもナンセンスと思います。設定された構造化はスケジュール帳など定型発達の私たちも使い続けます。
実際の支援の場面では以下の視点で考えます
- 構造化は無くならなくて良いもの
- 設定された構造化からナチュラルキューに移行する内容がある
- 構造化をフェードアウトしたり、内容を調整したりする再構造化の視点は継続する
用語解説:ナチュラルキュー
支援者が意図的設定した視覚的な指示ではない、自然にある指示です。
下の写真のような最初から道具などにある指示から、就労支援では企業にある視覚的提示も私はこのナチュラルキューにします。
●自然な指示=ナチュラルキューに関してはこちらの記事もご覧ください。
http://bouzan-note.com/jiha/4240.html
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