相談室(支援の場所)が取調室になってませんか?
自閉症や発達障害の支援のなかで、本人のこと、周囲のこと、気づいてほしいポイントなどを、視覚的に提示することは有効ということは知られるようになりました。
しかし、時々、「視覚的にすれば良い」「視覚的に提示すればわかる」という雰囲気の支援者にであいます。
その支援者の様子は、「証拠はあがってんだ!君のやったこと、君の考えは間違ってえてるんだ!」の様で、まるで取取調室のように見えます。
●視覚的に押し付ける支援は危険
視覚的な情報で伝えることは有効です。しかし、「視覚的に伝えたらすぐに本人が理解しなければならない」というような支援は、押しつけになり、そして混乱を与えます。
視覚的な情報への影響が強い方は、整理もできず、理解もできないまま押し付けれた視覚的な情報に引っ張られ苦しむ場合もあります(見ると引っ張られるので、支援者からの視覚的情報を見ないようになる人も存在します)。
●整理統合と理解の補助具としての視覚的支援
視覚の優位さを悪用した、「視覚的に提示すればわかる、納得する」の視点は危険です。
視覚的支援は、活動や様々な思考を整理統合し、理解するための補助具にすぎません。
見える形でわかりやすく提示することで本人が自ら気づき、自ら試行するのを助けるのが視覚的支援の役割です。
●個別化したプロセスを意識した視覚的なアプローチ
そこで重要なのはプロセスです。視覚的なアプローチは、プロセスが重要なんです。
見せればわかるのではなく、本人が整理したり、理解したりするプロセスを補助するものとして視覚的な支援を活用していきます。
例えば、活動を視覚的に提示するスケジュールやワークシステム、手順書なども、視覚的に提示したらすぐ理解するのではなく、繰り返し同じように繰り返すことで確認する習慣を作っていきます。
視覚的な文章や図、表、絵などで、自分の状況、周囲の状況、社会的な振る舞い方、ルールなどを提示する場合も、内容によってはたくさんの事例を踏まえながら、本人が整理し、理解し、そして活かすのにプロセスが必要になります。
いっぺんに押し付ける視覚的支援ではなく以下の視点のなる視覚的な支援のイメージを持つことが大切です。
- 視覚的支援は、理解を助ける補助具
- 視覚的支援は、整理統合を助ける補助具
- 視覚的支援は、押しつけではなく、プロセスを意識する
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