基本概念・スキルのアセスメントについてお伝えしてきました。
この記事では、もう少し踏み込んだ概念・教科のアセスメントのいくつかを紹介します。
●大小の理解
大・小及び大・中・小の大きさの材料を3~4種類準備します。写真を参考にして大・小のシンボルの指示も準備します。
(進め方)
- 「こっちよりも、こちらはどう?」と「大きい」「小さい」で答える質問で伝える
- 次に大・小を並べて、「大きい方を取ってください」「小さい方を取ってください」と指示する
- 大・中・小の材料で、大・中をで1、2を実施、次に中・小で1、2を実施する
●個数の理解
チップを15個程度、鉛筆を10本準備します
(進め方)
- チップ(又は鉛筆)をいくつか本人の前において、「これ何個(何本)ですか?」と質問する(2~3事例実施する)
- チップ(又は鉛筆)の全部を本人の前において、「●個(●本)ください」と指示する(2~3事例実施する)
●数字の順序性の理解
1から10までの数字のカードを準備します。
(進め方)
- 本人の前にランダムにカードを並べて、「これを1から順番に並べてください」と指示する
- 並べない場合は、1・2・3ぐらいまでを並べて、「続きを並べてください」と指示する
●時計の理解
手で針を操作できる時計を準備します。写真を参考に質問する時刻の書いたカードを準備します
(進め方)
- まずシンプルな例えば「4時」に時計をあわせて、「これは何時ですか?」と質問する。もしも、言葉が難しい場合は、「時計を3時にしてください」と時計を渡す
- 同じ流れでカードの内容が理解できるか確認する
●お金の理解
おもちゃ又は本物のお金を準備します。。写真を参考に質問するお金の書いたカードを準備します
(進め方)
- お金を並べます
- カードの内容で質問する「100円とって」「50円はどれ」のように進める
●言葉・慣用句等の理解・解説
写真を参考に質問する言葉や文章のカードを準備する。慣用句などは市販のかるたなどを活用してもいいです。
(進め方)
- 「今からいう内容の説明をしてください。わからない時はわからないと言っていいですよ」と伝える
- カードの内容を質問する「●●とは何ですか?」「○○を説明してください」(又はカードを見せて「この内容を説明してください」と質問する
- 本人の説明を聞いて、少し難しくなったらヒントや質問をする
●情報理解・スキルアセスメントシートで評価を記録する
ここで紹介しましたアセスメントをまとめるシートが『情報理解・スキルのアセスメントシート』です。これに評価し、記入し、活用します。
※情報理解・基本アセスメントシートver.05(エクセル)
※情報理解・基本アセスメントシートver.05(PDF)
※情報理解・基本アセスメントシートver(記入例)
※クリックしてダウンロードしてください。
※書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』または『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』とあわせてご活用ください。
評価はPEP3※TTAP※などの評価基準と同じPとEとFを参考に活用させていただいています。
P=理解している。活用できる
E=部分的にできる。まだ活用するには汎用していない
F=理解していない。活用は難しい
アセスメントをした後は、『個人情報シート』に集約して、またはそのまま支援を具体化する時の参考にします。
※『個人情報シート』エクセルファイルはこちら
※『個人情報シート』PDFファイルはこちら
※書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』または『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』とあわせてご活用ください。
支援の中で活用するのはPの理解している情報です。Eは基本的には課題にします。個々の状況によってはもう少しのタイプを活用する時には何らかの追加の支援が必要になります(例えば写真をトビー:その物だけを切り抜いた写真、カットアウトにする等)。
※【引用文献】
●日本版 PEP-3 自閉症・発達障害児 教育診断検査 [三訂版]/E.ショプラー著者代表 ; 茨木俊夫日本版監修 ; 服巻智子訳者代表/川島書店
●自閉症スペクトラムの移行アセスメントプロフィール TTAPの実際/エリック・ショプラ゜、ゲーリー・メジホフ、マイケル・チャップマン、ジョン・トーマス 監修:梅永雄二 監訳:今本繁、服巻智子
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