●頑張ったことを褒める思考の問題
発達障害の教育や支援で、「褒める」ことは大切なことです。しかしなかなか「褒める」が効果につながってないことを見聞きします。
何ででしょうか?
私は、1つの理由として【頑張ったことをほめる思考】の先生や支援者の褒め方の問題だと考えます。
頑張ったことをほめる思考は、
今より少しできばえがよくならないと褒めないし、頑張らせ、そして失敗させます。
そして、とってつけたように、
「できなかったけど、頑張ったね」
と意味不明で、今後何をどうすればいいかにつながらない褒め方になります。
結果、成功につながらない、そもそも成功がなにかがわからないのです。
●成功している部分で褒めるが基本
そこで大事なのが成功している部分で褒めるということです。
褒める目的は、成功した経験を繰り返すことです。
頑張ったら褒める思考では、成功と褒めるがリンクしにくいのです。
だから、本人が成功している部分で褒めることが基本です。
そのためには本人が成功している内容、量や時間の幅などをアセスメントすることご必要になります。
- どのくらい机での勉強が続けられるか?
- 縄跳びは何回は成功するしてるか?
- 着替えはどこができているか?
- 作業のどの工程ができていて、どこがもう少しか(どこができないか)? など
【成功を支えるアセスメントのためのフレームワークシート】
※リンクはPDFファイルです。エクセルデータはワークシートのページから活用ください
- 自立度チェックシート:工程ごとの自立の有無、プロンプトを記入して自立度、フィードバックの参考にします
- 自立課題シート:1つの課題・活動の「できる」「もう少し」「できない」から手だてや教え方の計画をたてるシート
- 自立課題アセスメントシート:1つの課題・活動の工程ごとの「できる」「もう少し」「できない」から手だてや教え方の計画をたてるシートです
- すてっぷ計画シート:本人の「できる」「もう少し」「できない」から課題を考えるシート
●本人に頑張らせるて褒めることの問題
頑張ったことを褒める思考の先生や支援者は、本人に成功を期待し、頑張らせるだけになる場合があります。試行錯誤して学ぶことも期待します。
しかし、とくに自閉症やADHDの人はそのハードルが越えられず成功にたどりつきません。また、試行錯誤からの誤学習をおこし、さらに失敗体験を積み重ねていきます。
●成功体験をサポートする
そこで、本人が成功できるように事前のゴールイメージを伝え、最小限の少ない手がかりで成功を導くことが大切です。詳しくはこちら
時には本人が気づかない部分で黒子で成功を導くことも必要です。
つまり、成功体験で褒めるためには、先生や支援者が頑張るんです。
この時ちょっとしたコツがあります。
それはできるだけ活動や課題の最後の方を本人が自分で成功する(または自分で成功しているように感じる)ことです。そのことで達成の後の褒めることが効果がうみます。
褒め続けることもしません。褒めるを少しずつ減らしていきます。
●頑張ったことを褒めてはいけないのか?
上の文章を読みますと頑張らせたり、頑張ること褒めるのはダメだと思われるかもしれません。
頑張らせる幅は人によって違います。ポイントは失敗しない幅で頑張らせる、また試行錯誤も個別で幅が変わります。
頑張ったことを褒めてはいけないのか?
それは、ぜひ褒めてください。
ただそのときに、頑張った内容が本人がイメージできていることが大事です。
頑張ったイメージを伝える必要がありますし、時には頑張ったこと視覚的にイメージできるようにしてあげることも大切です。詳しくはこちら
繰り返します。頑張ったことを誉めるのを否定しているのではありません。
頑張ったことを誉める思考が成功体験の弊害になる恐れがあることを知っていただきたいのです。
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