ストレスマネジメントや感情のコントロールの支援は、自閉症及びADHDの人にとって重要な領域です。
●ストレスマネジメントについて
人は何もしなくてもストレスを持ちます。ストレスを持つことは生きるために必要なことでもあります。
しかし、ストレスがたまってたまって、ある一線を超えると心身に様々な影響を与えます。自閉症やADHDでは、癇癪などの行動につながることがあります。
ストレスマネジメントは、ストレスがたまって心身に影響が出た後の対応ではなく、予防的な対応をとることが大切です。
【自閉症・ADHDの支援での予防的な対応】
- 氷山モデルによる整理でのストレスの要因の軽減
- 表出コミュニケーションの方法を持つ
- 見通しの提示(受容コミュニケーション)
- 好きな活動も含めて活動の量の調整と終わりの提示
- 生活シナリオの調整
- 刺激の統制や環境調整
- 有酸素運動や筋肉の緊張と緩和の運動
- 感覚の特異性に対する配慮と自己防衛
- リラクセーションの方法を持つ※ など
●環境のコントロールについて
感情のコントロールもストレスマネジメントも、感情のコントロールができなくなった後の対応よりも、その前の段階で感情の変化に気づいて自分でコントロールすることが大切になります。
【自閉症・ADHDの支援での予防的な対応】
- 感情の変化に気づく
- 氷山モデルの視点で感情が高ぶる要因を知って対策する(回避するなど)
- 感情が高ぶった時のコントロールの方法を持つ※
- 表出コミュニケーションの方法を持つ
- 不安や感情の部分をアウトプットし整理する時間がある
- 見通しの提示(受容コミュニケーション)
- 好きな活動も含めて活動の量の調整と終わりの提示
- 生活シナリオの調整
●ストレスマネジメント・感情のコントロールの3つの知る
ストレスマネジメントも感情のコントロールも、様々な予防的な対策の前にしなくてはいけないことがあります。それは3つの「知る」です。
1つは「要因を知る」です。
ストレスや感情の高ぶりの要因を知ることで、要因からの回避、距離のたもち方、軽減・除去(又は充実・保障)ができます
1つは「自分の状態を知る」です。
ストレスを持った時、感情が高ぶりそうになった時の自分の状態を知ることで、予防的に対応するタイミングを知ることができます。
ここで大切なのが、ストレスや感情がマックスになった時ではなく、その前段階の状態を知ることです。
痛みや動けなくなったり、動きすぎたりと様々ですので気づきにくい場合があるので、意識して考察する必要があります。
1つは「リラックスやコントロールの方法を知る」です。
ストレスを持った時、感情が高ぶりそうになった時のリラックスやコントロールの方法を知り、それを持つことがストレスマネジメントや感情のコントロールを自分で工夫できます。
実際には使わなくても知っているだけ、方法を持っているだけも大きな効果がでます。
●発達障害の人は自然に知ることが難しい
自閉症・ADHDの人は、上記の3つの内容を自然に知ることが難しいのです。
自分のことでも理解したり、整理したりすることが難しいのです。
なので、まずは支援者がそこをアセスメントし、支援することが大切です。
その中で、提案し、自分でリラックスやコントロールができるように導くことが必要です。
●リラクセーションや感情のコントロールの方法は習慣化する
リラックスや感情のコントロールの方法を実施する時には、重要なポイントがあります。それは、本番では練習しないということです。つまり状態の安定したときに練習し、そこで習慣化するのが先だということです(詳しくはこちら)。
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