ストレスマネージメントや感情のコントロールの支援は、自閉症及びADHDの人にとって重要です。(詳しくはこちら)
そのアプローチの1つとして、リラクセーションや感情のコントロールの方法を持つことがあります。
しかし、多くの支援者がこの始め方を間違っています。それは、ストレスや感情が高くなった時で練習し、始めることです。
これは大きなリスクがあります。とくに自閉症の人は、意味の結びき関係理解の困難さ、長期記憶の影響がありリスクが大きいです。
その方法を癇癪になったり、感情が高ぶったりした時に実施すると、それは癇癪や感情の高ぶりの方法やツール、きっかけになります。
例えば、パニック(癇癪)時にカームダウンエリアを実施すると、そこはパニックエリアになります。怒りの感情が爆発したときにコーピンググッツ※を使うと、それは怒りグッツになってしまいます。
※もとの状態に戻るグッツ
●練習は落ち着いている時間に実施して習慣化します
では、どうすればいいか、それは安定した時間でリラクセーションや感情のコントロールの方法を練習し、それを習慣化することから始めるのです。以下は私が実施しているプロセスです。参考にしてください
※個別化は必要です。
※今後の実践で調整する場合があります。
1.リラックスの方法を探す
リラックスの方法を以下の視点で探します。その方法は1対1のエリアでアセスメントして、いくつかの内容を選び必要があれば(適切な使い方がもう少しの評価の時など)教えます。
- 特性に考慮した内容(感覚的なもの、繰り返しの仕事など)
- 一般的な方法を試みる。(体操、音楽など)
- キーワードやキーフレーズを繰り返す
- 画像などを観たり、頭に浮かべる
- カームダウンエリアの利用(気持ちを落ち着く場所)
2.落ち着いている時にリラックスの方法を実施する(スケジュールに入れて)
★一日の中で一番リラックスしている時間にリラックスの方法を実施します。
実施はスケジュールで提示して実施します。
この段階はリラックスの習慣を作っている状態ですので、興奮している時やストレスが溜まった時には実施しません。
落ち着いている時間はいつも同じ時間ではなく、いくつかの落ち着いている時間を事前にアセスメントとって、計画的に実施の時間を変えます。
3.リラックスを習慣化する
「2.落ち着いている時間にリラックスの方法を実施する」の段階を繰り返して、リラックスの方法を習慣化させます。
徐々に様々な場面、時間で実施できるようにしていきます。
4.本番の実施(変更システム等で伝える)
本番は、フラストレーションが高まった状態ではなく、その前です。
変更のシステム※aや臨時スケジュール※bを活用します。
※a:変更のシステムは、スケジュールなどで活動の変更、追加、中止を伝えるもの
※b:臨時スケジュールは、混乱している時などに、スケジュールとは別のボードに見通しを伝えるもの(現在写真がありません)。例えば、「カームダウンエリア」→「スケジュールの確認」のような提示)。
※感覚の特異性がストレスなどの要因の場合はこちらのプロセスを参考にしてください。
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