自閉症の人にとって表出コミュニケーションはハードルが高い部分でもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
表出コミュニケーションの指導や支援は、かなり長いプロセスが必要になります。明日、いっきょにコミュニケーションが増えるわけではあります。
私がよく考えるのは、小さなハードルを選んで、さらに低くすることを繰り返すプロセスです。具体的には以下の視点を大事にしています。
●本人が好んで使っているタイプからはじめる
本人が好んで使っているコミュニケーションとは、よく使っている形態・文脈(場面)・機能(内容)のコミュケーションになります。アセスメントをすると、本人は、どんな場面で、どんな内容をどんな形態で伝えているかがわかります。
まずこの部分を確認して、今後のプログラムの参考にするのです。(詳しくは、書籍『生活デザインとしての個別支援計画が度ブック』をご覧ください。)
●1つずつ状況等を変えた機会で広げる
しかし、好んで頻繁に使っているコミュニケーションを教えても意味がありませんよね。もうすでに使えているわけですから。
そこで、1つずつ新しい状況を変えて(作って)教えるのです。例えば、形態をより将来性のある日常生活で活用しやすいものに変えたり(もちろん本人にあったもの)、伝える人や場面を変えたり、内容を広げたりします。
気をつける必要があることは必ず1つずつを大切にします。1個かえたら、他は変えない。例えば新しい形態を教える時には、好んで使っている場面と内容で教えるという具合です(詳しくは、書籍『生活デザインとしての個別支援計画が度ブック』をご覧ください)。
●計画的に具体的な機会をつくる
自発的なコミュニケーションは機会が重要です。偶発的に自然にまってもコミュニケーションが増えません。具体的にコミュニケーションが必要な場面設定をする必要があります。
必要な場面とは必然を作るといってもいいとおもいます。何か無い状況や何かがいつもと違う状況にします。しかも1回だけの機会ではなく、繰り返し機会を作ることも重要です。好子を活用するのも1つの設定です。
例えば療育の現場では、課題の中にコミュニケーションの必然性をつくって何回も機会を設定します。コミュニケーション=好きなもの。コミュニケーション=おやつ。は間違っては無いけどそれ以外の方法もたくさんあります(詳しくは、書籍『生活デザインとしての個別支援計画が度ブック』をご覧ください)。
●視覚的なアイデアを活用する
自閉症の人にとってコミュニケーションはハードルが高いです。上のプロセスで低いハードル選んび、さらに低くするのが視覚的なアイデアの活用です。視覚的なアイデアも、交換式のものから、見せるもの、リマインダーとして使うものまで様々です。個別にあわせて活用ください。
●個別化した手がかりで教える
低いハードルをさらに低くする方法は他にもあります。手がかりを個別化して上手に教え、そしてフェードアウトすることが大切です。手がかりも様々で、手添え、モデリング、ジェスチャー、言語指示などで、これも個別化してあげる必要があります。
※書籍『生活デザインとしての個別支援計画が度ブック』では、フレームワークシートを活用したアセスメントと指導のプロセスを簡単にまとめています。この記事とあわせて参考にしてください。
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