●マッチング・分類のアセスメントの意味と活用
マッチングは同じ物を組み合わせることで、分類は同類のものを集め区分けすることです。
概念の基本は、意味で分けること(分化する)と1つの意味でまとめること(般化する)で形成していきます。そこで基本概念の課題の最初はマッチングや分類で行います。
マッチングや分類は、生活の中にも(例:洗濯物、食器)、仕事の中でも(例:商品の陳列、部品の仕分け)など、たくさん活用されています。
●基本のマッチング・分類のアセスメントツールの作成と進め方について
基本のマッチング・分類としては物、色、形、文字、数字、単語などがあります。
マッチングは1つに1つを置く作業ですので、基本は2つ材料や指示が必要です。アセスメントを進める時には、1つの指示(物やカード)を置いて、「同じ場所に置いてください」と指示します。もしもわからない場合は1~2モデルを示します(だから違った指示が複数必要です)。
分類は、指示(物やカード)を置いて(必要があれば容器を活用する。その際は記録する)、「同じところに置いてください」「同じ内容のところに分けてください」など指示します。また、最初から材料を全部渡して、「●●の仲間で分けてください」とします。
※このアセスメントの時に(主には上記の前に行う)、1つの指示を出して「これは何」と質問したり、全部の指示(物やカード)を並べて「●●とって」「●●をください」と質問したりして、その概念の理解のアセスメントも行います。
●構造化や支援の中での活用
構造化や支援の中でも、本人が合わせることができる指示を活用します。
色や形、記号のマッチングを活用してシートの上の材料や道具の入った容器を並べるテンプレートがその1つです。
日課を視覚的に提示したスケジュールの中で記憶等を補う時の移動型のタイプでは、指示のカードを持って活動の場所まで移動してそこにある同じ指示のあるポケット等にマッチングしていれます。
1つの場所でいくつかの活動を行う時の活動の指示である「ワークシステムでの色々なマッチングを活用します。
●情報理解・スキルアセスメントシートで評価を記録する
ここで紹介しましたアセスメントをまとめるシートが『情報理解・スキルのアセスメントシート』です。これに評価し、記入し、活用します。
※情報理解・基本アセスメントシートver.05(エクセル)
※情報理解・基本アセスメントシートver.05(PDF)
※情報理解・基本アセスメントシートver(記入例)
※クリックしてダウンロードしてください。
※書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』または『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』とあわせてご活用ください。
評価はPEP3※TTAP※などの評価基準と同じPとEとFを参考に活用させていただいています。
P=理解している。活用できる
E=部分的にできる。まだ活用するには汎用していない
F=理解していない。活用は難しい
アセスメントをした後は、『個人情報シート』に集約して、またはそのまま支援を具体化する時の参考にします。
※『個人情報シート』エクセルファイルはこちら
※『個人情報シート』PDFファイルはこちら
※書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』または『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』とあわせてご活用ください。
支援の中で活用するのはPの理解している情報です。Eは基本的には課題にします。個々の状況によってはもう少しのタイプを活用する時には何らかの追加の支援が必要になります(例えば写真をトビー:その物だけを切り抜いた写真、カットアウトにする等)。
※【引用文献】
●日本版 PEP-3 自閉症・発達障害児 教育診断検査 [三訂版]/E.ショプラー著者代表 ; 茨木俊夫日本版監修 ; 服巻智子訳者代表/川島書店
●自閉症スペクトラムの移行アセスメントプロフィール TTAPの実際/エリック・ショプラ゜、ゲーリー・メジホフ、マイケル・チャップマン、ジョン・トーマス 監修:梅永雄二 監訳:今本繁、服巻智子
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