療育機関では2つの年齢を念頭に療育の計画を立てます。
生活年齢は、本人の実際の生まれてからの年数になります。
発達年齢は、定型発達の基本水準から、今どのくらいの発達段階の年齢になっているのかをみるものです。
自閉症・発達障害の療育の中で発達年齢に着目することは重要です。(※1)
※1「生活年齢が重要ではない」という意味ではありません。
本人の生活年齢が3歳だとして、発達の段階はまだ1歳前後だとします。
下のイメージ図のように、生活年齢を重視して無理なプログラムを行うことは、無理やり引き上げる療育で、本当は連続して教えなくてはいけない部分を経験せず積み上げることができません。
発達段階を確認して(※2)、連続したステップで療育を進めることが必要になります。
※2発達障害は偏りがあるために、できれば多様な側面で確認が必要
発達段階を重視して、積み上げることによって、将来の自立の広がりにつながってきます。
地域では、早期に発見されても、本人の発達段階にあわない規模と内容の大集団で療育を受ける場合があります。
私がコンサルタントをしている事業所では、個別に社会性の段階をアセスメントをし、4~5人の規模の接近、並行、共有などの経験を中心としたプログラムを設定しています。
社会性の部分で重要なのは集団に慣れることではなく、社会的な集団や内容の気づき(※3)が重要です。だからこそ、丁寧なステップが必要になります。
※3ここでいう気づきは、1つ1つの社会性の段階に必要な気づき、スキルを指しています。