書籍『フレームワークを活用した自閉症支援』『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』で紹介しています『自閉症・発達障害特性シート』を多くの皆さんに活用していただくために、特性の解説をしていきます。本日は『注意注目・転導性や切り替えの困難さ』です。
●全体よりも細部をつよく注目する特性
自閉症の人は全体よりも細部を強く注目する特性があります。そのことで注意・注目に様々な特性を持ちます。
その特性により、注目しなくてはいけない部分を注目することが難しことや、注目しなくていい部分(無視しなくてはいけない部分)に強く注目することがあります。
【支援の方向性】
- 注目しなくてはいけない部分を本人にわかる形で具体的指示する
- 整理した状態で設定する
- 必要に応じて明瞭化する
- 無視しなくてはいけない部分を無視できるように刺激・情報を統制する
●無視することが難しい
自閉症の人はとても狭く、とても強い注目を持つために、様々な刺激・情報に引っ張られて無視することが難しいです。今やっている活動には関係の無い刺激・情報を無視することができず、活動に注目できないこともあります。
●自分の中の強いイメージに引っ張られる
自閉症の人は、自分の頭の中のイメージにも強く注目し、他のイメージや周囲の状況にあわせた判断が難しいことが起こります。他者のイメージよりも自分のイメージに強く注目することで、社会的な困難さも持ちます。詳しくは【社会性・対人関係の特性】の解説をご覧ください。
●「1つに集中できる」を探してほしい
自閉症の人の特性は紙一重の部分があります。「1つにこだわってしまう」と表現する困難さの視点と、「1つに集中できる」という長所でもあります。こだわりを止めさせる発想ではなく、こだわりを活用する発想も必要になります。
●注意注目の特性の指導・支援の方向性
- 本人の状態を確認して注意喚起をする。必要に 応じて指示の再確認をする
- 不注意や突発的な行動に対応する安全の確認と 配慮が必要である
- 環境整備、整理によって、本人が突き動かされ ている刺激を少なくする
- 注目してほしい部分、見通しを明確に伝える ( リスト、手順書、絵や写真
- 具体物による提 示/活動、仕事の内容、相談の内容)
- 個々の特性にあわせて終わりの提示と次に何が あるのか提示を行う切り替えるための指示や習慣を活用する
【転導性・切り替えの困難さについてはこちらの記事をご覧ください】
●関連のリンクです
★青本『フレームワークを活用した自閉症支援』はこちらから(エンパワメント研究所)
★緑本『生活デザインとしての個別支援計画ガイドブック』はこちらから(エンパワメント研究所)
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