活動や課題の「自立する」「自立しない」に影響をあたえる特性を解説しています(まずは「課題や活動の自立支援も氷山モデルで考える」の記事をご覧ください)。
今回は【注意・注目の特性】です。
注意・注目の特性は、必要な部分には注目できない、注目しなくていい部分に注目する、複数の情報を同時に把握することの難しさなどがあります。
●注目しなくてはいけない部分を注目できない
【解説】
活動や課題に必要な指示や材料、道具、関連のある状況への注目が難しいことがあります。
自閉症の人は、狭くて強い注目で、必要な部分に注目が難しく、活動や課題を遂行することが難しくなります。
【指導・支援の方向性】
注目しなくてはいけない部分を、より注目できるようにする工夫は以下のような工夫があります。
- 本人が具体的に理解しやすい情報で伝える(視覚的指示:詳しくはこちら)
- 指示や材料などを(視覚的明瞭化:詳しくはこちら)
- 材料や道具、指示を整理した状態で提示する(視覚的整理統合:詳しくはこちら)
- 興味関心を活用する
- 習慣を活用する
- 境界の設定(下で説明) など
●注目してはいけない部分に注目してしまう(無視しができない)
【解説】
活動や課題には関係のない部分があります。自閉症の人は、その関係の無い部分に強く注目することで、活動や課題の遂行が困難になることがあります。
【指導・支援の方向性】
活動や課題に関連の無いもの無視できるようにする工夫には以下のようなものがあります。
- 情報や刺激を統制する(視覚的明瞭:詳しくはこちら、物理的構造化の刺激の統制)。
- 無視する部分を予告、伝える
- 指示と習慣を明確にする など
●複数の情報を総合的に判断する
【解説】
活動や課題の中では、指示、材料と道具の管理、プロセスイメージ、無視する部分など複数の情報処理を行います。自閉症の人は、複数の情報処理をいっぺんにすることが苦手です。部分的になったり、活動や課題が遂行できなかったり、混乱したりすることがあります。
【指導・支援の方向性】
複数の情報処理が苦手な自閉症の人には、以下のような工夫があります。
- 整理した状態で指示する
- 材料や道具、指示を整理した状態で提示する(視覚的整理統合:詳しくはこちら)
- 順序立てる、まとめる
- 境界を明確にする(下に説明)
- 習慣を活用する
●境界を明確にする意味
注目の困難さの支援では、境界が重要になります。
境界とは、「いつ、どこで、なにを、どのように、どうなったら終わりか、終わったら何か」などの情報を具体化する境界です。今から現在の活動と後の活動のような見通しの境界を時間の境界、この場所と他の場所のような境界を空間の境界とよんでます。
境界が見える形でわかりやすくすることの利点はたくさんあります(詳しくはセミナーで!)
その中の1つが、注目する部分と無視しる部分の境界が明確になり、何に注目していいか(何を無視していいか)わかりやすくなることです。
特性かるたをモチーフにした自立課題シートです!
●まとめ
自閉症や知的発達症の方の注意・注目の特性への配慮は、情報を明瞭化し、整理した状態で、順序だてることが大切です。
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